平成29年度 事業報告書

1. 事業の実施状況

(1) ライブ・エンタテインメント事業に関する調査・研究

①正会員市場規模調査（毎年実施）
正会員を対象に市場（事業）規模及び実施公演等に関する調査を行った。
調査方法：アンケート調査（会員社67社）
第1回：平成29年7月実施 / 対象期間：平成29年1～6月までの上半期
第2回：平成30年1月実施 / 対象期間：平成29年7～12月までの下半期

集計結果：平成29年1月～12月（通年）
公演本数　　/　31,674本 （前年比106.1%）
観客動員数　/　47,794千人　（前年比100.2％）

②ライブ・エンタテインメント事業における消費者保護の調査・研究（継続）
チケット転売サイト等での高額転売問題対策として、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンピュータチケッティング協議会ならびにデジタルチケット事業者等の関係団体・企業と協力して、消費者保護を目的とした新聞広告の出稿やWEB等での啓蒙活動を行った。またオフィシャルトレードリセール「チケトレ」をスタートし、定価によるチケットの二次流通環境を整備することで消費者保護へ向けた対応を講じた。

＜第1回公式チケットトレードサービス説明会＞
日　時：平成29年4月18日
会　場：日本音楽事業者協会 音事協ホール
参加者：正会員社9社17名

＜第2回公式チケットトレードサービス説明会＞
日　時：平成29年4月20日
会　場：日本音楽事業者協会 音事協ホール
参加者：正会員社10社14名

＜第3回公式チケットトレードサービス説明会＞
日　時：平成29年5月8日
会　場：ぴあ(株)関西支社 会議室
参加者：正会員社9社19名

③野外フェス等の経済波及効果測定（継続）
ライブ・エンタテインメント市場が成長を続けているなか、地方創生政策や音楽文化振興への貢献を示すデータとして、各地で行われている主要な野外フェス等の経済波及効果の測定を行った。調査は平成30年度も継続して実施する予定。

＜調査対象＞

• ARABAKI ROCK FEST 17（平成29年4月29日,30日＠宮城県・ECOキャンプみちのく）
• 百万石音楽祭2017（平成29年6月3日,4日＠石川県・産業展示会館）
• NUMBER SHOT 17（平成29年7月22日,23日＠福岡県・海の中道海浜公園）
• RISING SUN ROCK FESTIVAL 17（平成29年8月11,12日＠北海道・石狩湾新港埠頭）
• WILD BUNCH 17（平成29年8月19日,20日＠山口県・きらら博記念公園）

④ライブ・エンタテインメント ラボによるライブ・エンタテインメント関連案件の調査・研究（継続）
活動開始より2年目を迎えたライブ・エンタテインメント ラボにて、下記等のライブ・エンタテインメント関連事案の調査研究を行った。

• 転売規制等ライブ関連法案成立に向けた調査研究・ロビー活動
• ライブ・エンタテインメント白書製作協力
  (日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟とライブ・エンタテインメント調査委員会を組織)
• 特区政策とライブ・エンタテインメント（東京湾岸活用、公園法研究）
• 法政大学大学院との次世代ライブ施設と街づくりの共同研究及び提案（地方創生関連）

⑤海外で開催されるライブ・エンタテインメントの調査・研究（新規）
海外で行われるライブ・エンタテインメントのイベントに会員者を派遣し、現地での開催状況を視察した。視察内容をレポートにまとめ、今後の業務に生かすべく会員者間で共有した。

＜実績＞

• SXSW Conference & Festivals 2018 …　7社16名
• Sydney Festival 2018 …　1社 3名

(2) ライブ・エンタテインメント事業に関する研修会・セミナー等の開催

日本音楽制作者連盟との共催で、両団体の正会員を対象に人材育成研修会およびシンポジウムを開催した。

＜人材育成研究会＞
日　時：平成30年2月5日（月）
会　場：Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

(3) ライブ・エンタテインメント事業に関する教育及び就職支援事業

①東京工科大学メディア学部への寄附講座実施
人材育成支援及び文化・社会貢献の一環として、平成19年度より開設した寄附講座「ライブ・エンタテインメント論」を今年度も継続して実施し、平成29年9月26 日から平成30年1月16日まで全15回の講義を行った。

（敬称略）

②日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校への就職支援事業
就職支援に関する事業を継続して行った。

【企業セミナー】
平成29年10月26日：ミュージックカレッジ・ダンス科在籍1年生対象 / 蒲田校
平成29年11月6日：ミュージックカレッジ在籍1年生対象 / 会場：中野サンプラザ

【その他】
企業紹介、職場見学の実施、求人情報の提供等

③東放学園音響専門学校での講義カリキュラム実施
人材育成支援を目的とし、コンサート制作系授業への講師派遣を継続して行った。

【期間】
平成29年4月11日～平成29年7月25日（全15回 / ゲスト講師13名）

④昭和音楽大学との産学連携事業の実施
産学連携講座「音楽産業概論Ⅱ」に対し講師を派遣するなど、人材育成支援を行った。

【期間】
平成29年9月14日～平成30年1月21日（全15回 / ゲスト講師8名）

⑤近畿大学文芸学部への寄附講座の実施
ライブ・エンタテインメント分野における人材育成支援および文化振興の観点から、近畿大学文芸学部の協力を得て、「プロデュース論」において寄附講座を開講し、平成29年5月9 日から平成30年1月15日まで全6回の講義を行った。

（敬称略）

⑥慶応義塾大学法学部への特別講座の実施
アメリカの音楽文化を社会とのかかわりにおいて考察し、様々な音楽ジャンルがどのように形成され、発展してきたかをたどる講座において、講師を派遣し、講義を行った。

日　時：平成29年12月4日(木)14:45～16:15
会　場：慶應義塾大学 日吉キャンパス
講　師(株)ウドー音楽事務所 取締役 渉外室長　　生田　慶一郎

（敬称略）

⑦その他の講師派遣実績

(4) ライブ・エンタテインメント事業に関する情報の収集及び提供

①機関誌「A.C.P.C. navi」の発行
会員ならびにライブ・エンタテインメント事業に関わる事業者と情報交換を行うことを目的として年3回機関誌を発行した。

第34号：平成29年7月発行 / 第35号：平成29年 10月発行
第36号：平成30年1月発行

②ホームページの拡充
会員、関係者及び消費者に向けて時事並びに約款等を掲示するとともに、本会の運営状況等の情報開示、寄附講座等の教育事業に関する情報等を掲載し広報の強化を図った。

③FAX NEWSおよびメールの発信

④会報等の収集

(5) ライブ・エンタテインメント事業に関する内外関係機関等との交流及び協力

①「第14回東京国際ミュージックマーケット（14th TIMM）」の制作・運営協力
（財）音楽産業・文化振興財団及び経済産業省が主催するイベント内のビジネスセミナーおよびショーケースライブにおいて、制作及び運営の協力を行った。また、本イベントは、経済産業省が主導するJAPAN国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)のオフィシャルイベントとして開催された。

名　称：第14回東京国際ミュージックマーケット（14th TIMM）
会　場：渋谷エクセルホテル東急 / SHIBUYA O-EAST
期　間：平成29年10月23日（月）～25日（水）
内　容：(1)商談会　(2)ビジネスセミナー　(3)ショーケースライブ
＜ビジネスセミナー詳細＞
日本音楽事業者協会・音楽制作者連盟・コンサートプロモーターズ協会共催セミナー
テーマ：欧米のライブ・エンタテインメント市場におけるチケット転売問題と日本の現状
登壇者：野村　達矢（日本音楽制作者連盟　常務理事）
　　　　Adam Webb（ファンフェア・アライアンス、キャンペーンマネージャーAL1 コミュニケーションズ、創業者）
　　　　Alan Day（キリマンジャロ・ライブ　プロモーター）
進　行：石川　篤（ディスクガレージ　取締役／コンサートプロモーターズ協会　転売対策担当・総務委員）

②Act Against AIDS
協力団体として運営に関する協議に参加した。

(6) ライブ・エンタテインメント事業に関する知的財産権の維持・管理及び保全

一般社団法人日本音楽著作権協会演奏部及び東京イベントコンサート支部と課題について協議するため、定期的に担当者による運用調整委員会を開催した。また、担当役員が出席して定期的に開催される連絡協議会においては、逓減措置の継続に関するに協議を行った。

(7) ライブ・エンタテインメント事業に関する音楽著作物の使用許諾申請及び楽曲報告等の手続代行業務

一般社団法人日本音楽著作権協会との団体協定に基づき、会員が開催する公演で使用される音楽著作物の使用許諾申請、支払、楽曲報告の手続代行業務を行った。

(8) ライブ・エンタテインメント事業に関する苦情処理及び相談

ライブ・エンタテインメント約款を、本会並びに会員社、また各プレイガイド等の媒体を利用して消費者に向けた普及・啓発活動を行った。また、チケット高額転売に関する一般のお客様からの苦情を集約し、関係各所との情報共有を行った。

(9) ライブ・エンタテインメント事業に関する各種代行業務

①保険制度の実施及び研究

②フラワーシップサービスの実施

(10) その他この法人の目的を達成するために必要な事業

協会が取り組む活動を社会に対して発信していくための広報活動を、ホームページを中心に行った。