平成28年度 事業報告書

1. 事業の実施状況

(1) ライブ・エンタテインメント事業に関する調査・研究

①正会員市場規模調査（毎年実施）
正会員を対象に市場(事業)規模及び実施公演等に関する調査を行った。
調査方法：アンケート調査（会員社64社）
第1回：平成28年7月実施 / 対象期間：平成28年1～6月までの上半期
第2回：平成29年1月実施 / 対象期間：平成28年7～12月までの下半期

集計結果：平成28年1月～12月（通年）
公演本数　　/　29,862本 （前年比101.1%）
観客動員数　/　47,288千人　（前年比100.3％）

②ライブ・エンタテインメント事業における消費者保護の調査・研究（継続）
チケット転売サイト等での高額転売問題対策として、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンピュータチケッティング協議会ならびにデジタルチケット事業者等の関係団体・企業と協力して、消費者保護を目的とした新聞広告の出稿やWEB等での啓蒙活動を行い、またオフィシャルトレードリセール「チケトレ」の開始に向けて調査・研究を行った。「チケトレ」については次年度の6月1日に正式オープンを予定している。

③野外フェス等の経済波及効果測定（継続）
ライブ・エンタテインメント市場が成長を続けているなか、地方創生政策や音楽文化振興への貢献を示すデータとして、各地で行われている主要な野外フェス等の経済波及効果の測定を行った。調査は平成29年度も継続して実施する予定。

＜調査対象＞

• ARABAKI ROCK FEST 16（平成28年4月29日,30日＠宮城県・ECOキャンプみちのく）
• VIVA LA ROCK 16（平成28年5月28日,29日＠埼玉県・さいたまスーパーアリーナ）
• 京都大作戦（平成28年7月2日,3日＠京都府・山城総合運動公園）
• FUJI ROCK FESTIVAL 16（平成28年7月22日～24日＠新潟県・苗場スキー場）
• RISING SUN ROCK FESTIVAL 16（平成28年8月12,13日＠北海道・石狩湾新港埠頭）
• MONSTER baSH 16（平成28年8月21日,22日＠香川県・国営讃岐まんのう公園）
• TREASURE 05X 16（平成28年9月3日,4日＠愛知県・蒲郡ラグーナビーチ）

④ライブ・エンタテインメント ラボによるライブ・エンタテインメント関連案件の調査・研究（新規）
今年度より活動を開始したライブ・エンタテインメント ラボにて、下記等のライブ・エンタテインメント関連事案の調査研究を行った。 　　　

• ライブ・エンタテインメント白書製作協力
• 風俗営業法改正後の影響調査
• ライブ・エンタテインメント議員連盟によるチケット高額転売に関する法制化への働きかけ
• 公演活用施策の研究　
• アリーナ文化の確立に向けた活動
• 教育機関との共同研究
• ホール不足問題研究会への参加

(2) ライブ・エンタテインメント事業に関する研修会・セミナー等の開催

正会員を対象に人材育成研修会を実施した。
日　時：平成28年11月15日（火）
会　場：ヒルトン福岡シーホーク（福岡・博多）

(3)ライブ・エンタテインメント事業に関する教育及び就職支援事業

①東京工科大学メディア学部への寄附講座実施
人材育成支援及び文化・社会貢献の一環として、平成19年度より開設した寄附講座「ライブ・エンタテインメント論」を今年度も継続して実施し、平成28年9月27 日から平成29年1月17日まで全15回の講義を行った。

②日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校への就職支援事業
就職支援に関する事業を継続して行った。

【企業セミナー】平成28年10月13日：ミュージックカレッジ在籍1年生対象
　　参加企業：11社 / 会場：中野サンプラザ

【その他】企業紹介、職場見学の実施、求人情報の提供等

③東放学園音響専門学校での講義カリキュラム実施
人材育成支援を目的とし、コンサート制作系授業への講師派遣を継続して行った。

【期間】平成28年4月12日～平成28年7月26日（全15回 / ゲスト講師13名）

④昭和音楽大学との産学連携事業の実施
産学連携講座「音楽産業概論Ⅱ」に対し講師を派遣するなど、人材育成支援を行った。

【期間】平成28年9月15日～平成29年1月19日（全15回 / ゲスト講師15名）

近畿大学文芸学部への寄附講座の実施
ライブ・エンタテインメント分野における人材育成支援および文化振興の観点から、新たに近畿大学文芸学部の協力を得て、「プロデューサー論」において寄附講座を開講し、平成28年10月25 日から平成29年1月17日まで全4回の講義を行った。

(4)ライブ・エンタテインメント事業に関する情報の収集及び提供

①機関誌「A.C.P.C. navi」の発行
会員ならびにライブ・エンタテインメント事業に関わる事業者と情報交換を行うことを目的として年4回機関誌を発行した。

第30号：平成28年7月発行/第31号：平成28年 10月発行
第32号：平成29年1月発行/第33号：平成29年 3月発行

②ホームページの拡充
会員、関係者及び消費者に向けて時事並びに約款等を掲示するとともに、本会の運営状況等の情報開示、寄附講座等の教育事 業に関する情報等を掲載し広報の強化を図った。

③FAX NEWSおよびメールの発信

④会報等の収集

(5)ライブ・エンタテインメント事業に関する内外関係機関等との交流及び協力

①「第13回東京国際ミュージックマーケット（13th TIMM）」の制作・運営協力
（財）音楽産業・文化振興財団及び経済産業省が主催するイベント内のショーケースライブにおいて、制作及び運営の協力を行った。また、本イベントは、経済産業省が主導するJAPAN国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)のオフィシャルイベントとして開催された。

名　称：第13回東京国際ミュージックマーケット（13th TIMM）
会　場：渋谷エクセルホテル東急 / SHIBUYA O-EAST
期　間：平成28年10月24日（月）～26日（水）
内　容：(1)商談会　(2)ビジネスセミナー　(3)ショーケースライブ

②Act Against AIDS
協力団体として運営に関する協議に参加した。

(6)ライブ・エンタテインメント事業に関する知的財産権の維持・管理及び保全

一般社団法人日本音楽著作権協会演奏部及び東京イベントコンサート支部と課題について協議するため、定期的に担当者による運用調整委員会を開催した。また、担当役員が出席して定期的に開催される連絡協議会においては、逓減措置の継続に関するに協議を行った。

(7)ライブ・エンタテインメント事業に関する音楽著作物の使用許諾申請及び楽曲報告等の手続代行業務

一般社団法人日本音楽著作権協会との団体協定に基づき、会員が開催する公演で使用される音楽著作物の使用許諾申請、支払、楽曲報告の手続代行業務を行った。

(8)ライブ・エンタテインメント事業に関する苦情処理及び相談

ライブ・エンタテインメント約款を、本会並びに会員社、また各プレイガイド等の媒体を利用して消費者に向けた普及・啓発活動を行った。また、チケット高額転売に関する一般のお客様からの苦情を集約し、関係各所との情報共有を行った。

(9)ライブ・エンタテインメント事業に関する各種代行業務

①保険制度の実施及び研究

②フラワーシップサービスの実施

(10)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

協会が取り組む活動を社会に対して発信していくための広報活動をホームページを中心に行った。