梅雨明けから一気に猛暑へと移っていった6月後半から7月前半、西日本を中心に深刻な被害をもたらす災害が相次いで発生しました。「大阪北部地震」ならびに「平成30年7月豪雨」で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今号では、大阪北部地震に際しての現地コンサートプロモーターの対応と、平成30年7月豪雨による公演への影響をご報告いたします。また、ACPCではライブ・エンタテインメントを通じて被災地の復旧・復興に向けた支援策を検討してまいります。
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
「大阪北部地震」「平成30年7月豪雨」 相次ぐ災害と現地コンサートプロモーターの対応
大阪北部地震
6月18日の朝7時58分、最大震度6弱の地震が発生した大阪北部。在阪の正会員社に、当時の状況と対応を伺いました。以下はその抜粋です。
地震発生直後の対応
● 社員の安否確認・通勤状況確認
● 事務所の営業・出勤・休みの判断
● 電車通勤者へ、自宅待機の指示(勤務時間前のため)
● 会社の徒歩圏内のスタッフに、オフィス確認の依頼
● 当日公演の担当者に、会場及び出演者側との開催判断の確認
● 前日公演の出演者・スタッフへの連絡と帰京手段・延泊などの確認
全社が「社員の安否確認」を挙げました。地震直後は固定・携帯電話が通じにくく、メールも配信や確認が遅れるため、各社LINEなどの通話アプリを用いたそうです。
社内および建物の状況
「書類や小物が落下していた」「照明スタンド、鉢植えが倒れた程度」といった回答はありましたが、「特に被害はない」という回答が多数でした。
地震による延期・中止公演
● 延期9公演
● 中止4公演
被害額
「直接的な損失はない」が多数でしたが、公演の延期・中止に伴う諸経費を試算して「おおよそ260万円」という回答もいただきました。
今後への備え
● 社員への安否確認方法、自宅待機判断等のガイドライン作成
● 連絡網の再確認
● LINE等のいわゆるチャットツールを会社として正式に導入予定
● 会場での避難誘導等の再確認
● オフィスの防災グッズの確認、持ち出しやすい場所への移動
● 災害時にどう行動するか、社内で話し合いをしておく
● 会場の大小を問わず、現場への状況確認方法や、公演中に災害が起きた際にどう判断するかのガイドラインを整理
● オフィスの耐震補強
● エレベーターが使用出来なくなったため、避難導線の再確認
● 開場中や、搬入搬出・舞台設営時の地震発生も想定して対策を進める
会場への影響
● 高槻現代劇場大ホール:8月31日(金)まで利用停止(再開時期未定)
● 吹田市文化会館(メイシアター) 大ホール:1年の利用停止
● 万博公園:ゲートが一部閉鎖。野外公演の導線に影響見込み
平成30年7月豪雨
平成30年7月豪雨によるACPC会員社の主催公演の延期・中止は上の通りです(7月20日時点)。その後も高速道路の使用不可や、土砂崩れによる一般道の通行止めが各地で発生しており、スタッフや機材、観客の移動・輸送に影響が出ています。ACPCでは豪雨による被害状況・公演への影響について調査を進めてまいります。
※ ACPC会員社の主催公演として、中止・延期が発表された公演を計上しています。
※ 企画段階など、開催が未発表だった公演の中止・延期は含まれていません。