中西:最後にライブ・エンタテインメントの今後についてお話ししたいと思いますが、2020年に東京オリンピックが開催されることにより、経済効果への期待が高まる一方、会場の問題が浮上してきました。
大石:多くの会場が改装などで一定期間閉鎖されるため、コンサートでは使用できなくなってしまうようですね。
中西:2016年くらいから改装に入る会場が出てくるため、僕らはこれを「2016年問題」と呼んでいますが、本当にシビアな問題です。首都圏の会場が一気に足りなくなってしまいますから。
大石:音制連ではACPCから情報をいただいて、理事会でも検討を始めています。会場不足の問題もそうですが、改装なり新しい会場がオープンするなら、すべての会場がコンサートに対応できるようにして欲しいですね。
中西:国や企業、デベロッパーなどに業界全体で働きかけていく必要があります。僕らとしては、これだけの会場が使用できなくなった場合、ライブ・エンタテインメント全体にどの程度の打撃があるのか、きちんとリアリティのあるデータを作って、関係各所に訴えていきたいと思っています。
大石:そういったデータがあると助かります。会場の問題は、現状でも土曜日・日曜日・祭日に開催希望が集中してしまう点など、頭の痛い問題が多いですよね。
中西:しかも土日はスポーツや企業・学校のイベントに取られてしまう会場もありますからね。僕はよく極論をいうんですが、会場使用料を平日はすごく安く、土日は思い切って高額にしてもいいんじゃないかと思っているんです。需要と供給のバランスを考えて。
大石:それも一つのアイディアですね。いずれにせよ、会場の問題はACPCと音制連が一緒に考え、行動していくことが大事になると思います。
中西:ライブ・エンタテインメントは近年、動員数も売上も、演奏権使用料もずっと伸びてきていますが、今後は全国会場のキャパシティの上限があって、市場の拡大が難しくなってくるのは確かです。ぜひ、音制連にもご協力いただいて、明るい未来を目指していきましょう。