石破:私は中野ブロードウェイの皆さんとご縁があるのですが、いつも秋になるとサンプラザ前の広場で地方創生フェアみたいなことをやっているんですね。平たくいえば全国各地の物産展なんですが、ブロードウェイが実に不思議な空間なので意外と面白くなるんです。
中西:地方創生という意味では、我々の会員社である各エリアのプロモーターが毎年フェスをやって、かなり大きな経済効果を生んでいるんです。雇用も生んでいると思いますが、それを継続的な雇用につなげることが今後の課題になるでしょう。
石破:フェスというのは、期間が限定されたお祭りみたいなものですよね。そこから継続的な雇用を生み出すには確かに工夫が必要でしょう。
中西:日本にお祭りと称するものは30万以上あるそうで、実態を調べていくと何かヒントが出てくるかもしれないと思うんです。町内会のお祭りだって、すごく大事なことですから。
石破:お祭りが行われるところには神社がある。そこにコミュニティーがある。神社があるところには、不思議な伝説も山ほど残っていて、とても面白いんです。でも、意外と地元の若い人が知らなかったりするんですよ。それを考えると、地方の良さ、面白さは、地元の人にとっては「これの何が面白いんだ」というところがあるような気がするんです。だからそれをいかにして再発見して、発信するかがポイントになるんじゃないでしょうか。
中西:それと最近はコンサートも色々なスタイルがあるので、地元の食材を使った料理を食べながら、お酒を飲みながら楽しむ進化したディナーショーのような形式もあると思います。食もあれば音楽以外の文化もある、というイベントもいくつか考えているんです。
石破:山梨県に北杜市という場所がありますが、そこは東京ディズニーランドと契約していて、お米や野菜、果物などの食材を提供しているんです。その次に地元の人達が考えているのは、地方の農村をディズニーランドが運営したらどうなるかということなんですよ。つまり東京ディズニーランドは、つくり物の山があって、つくり物の川があって、つくり物の動物がいて成り立っているわけですが、それが本物の山と本物の川と本物の動物になったら……という試みなんです。私はジビエ議連の会長でもありますが、地方にある豊かな自然をどう活かすかは大事だと考えています。ライブとスポーツがあって、そこに食と自然があるとなれば、付加価値をつけられますよね。それこそライブ・エンタテインメントは付加価値のかたまりのようなものですから、地方創生にはぴったりだと思います。
中西:石破先生の地方創生論から、地方というキーワードがグッと高まってきて、ベンチャー企業を中心に様々な試みが始まっています。もちろん、うまくいっていることもあれば、うまくいってないこともあります。そんな中でライブ・エンタテインメントがどんな役割を果たせるのか、議連の皆さんともぜひ話し合いたいですね。そのためにもフェスの現状や経済効果のデータをまとめて出したいと思います。
石破:それは有意義な場になると思います。