小崎:現場スタッフ1人ひとりも注意を払うべきですよね。例えばステージ設営の仕事に初めて参加した人が、慣れないうちに責任者から「何やっているんだ!」と怒鳴られるようなこともきっとあるでしょう。でも、優しく説明したほうが今の若い人はやる気になる場合も多いと思いますし、時代に合わせた指導法を考える必要があります。
落合:接客についていえば、お客様からクレームを受けることもあるわけです。慣れていなければうまく対応ができないですし、チーフや先輩の助けを呼べないことも多い。そういう経験をしてしまうと、リピートして働く人が少なくなってしまいます。
田山:雇用の対象として若者が難しくなっているとすると、中高年の方に働く場を提供することも考えるべきかもしれません。海外だと中高年の方がチケットのチェックや場内整備を普通にやっていますので。
小崎:呼び方もすごく大切だと思います。私達は控え室に「アルバイト控え室」と貼り紙がされていたら修正するようにしています。アルバイトとはあくまで雇用形態ですから、「ライブパワーの控え室」や「シミズオクトの控え室」が正しいと思うんですよ。
落合:アルバイトの皆さんも、ライブのスタッフの一員という位置づけが必要です。雇用形態は別にして、ライブを成功させるために必要な人材だという認識をもって、あくまでも「スタッフ」という感覚で接していただくと、働く側の参加意識も変わってくると思います。
田山:もともと会場で働いている全員でライブをつくり上げているという意識は、みんなもっていると思うんです。それをきちんと現場でも表現して、コンサートプロモーターの間でも徹底することが大事ですよね。