亀田:結局、プロフェッショナルの仕事とは、なんといったらいいんだろうなあ……距離感を近づける仕事なんです。パソコンに映る映像、イヤホンから流れる音楽だけだと、実はアーティストや音楽と、リスナーの間にある距離は近づかないんです。ライブで同じ空気を吸っている距離感を生み出して、感動させるのが本当のプロの仕事。それはステージに立つ人達だけではなく、照明や音響も含めたスタッフの方々全体にもいえることだと思います。
中西:僕達の仕事、コンサートプロモーターの役割は、アーティストの皆さんをどれだけ気持ちよくステージ上に送り出せるかが大きいんですが、もう一歩進んで考えると、時にはアーティストと正面から対峙することが必要だと思います。ライブの内容を「最高でした」と誉めるのは簡単ですが、何が最高かをより具体的に伝えることも求められるし、ひょっとしたら苦言を呈さなくてはいけない場面もあるかも知れません。
亀田:各地で会うコンサートプロモーターの方のがんばっている姿を、アーティストは絶対に見ています。信頼もしていますし、プロモーターの方に会いたくて、会場に行くという気持ちもあります。そういう方に「全然よくなかった」といわれたら、さすがにヘコみますが、それを乗り越えて、こちらも色々とアイディアを考えるようになります。だから礼儀とリスペクトを前提として、ぜひ皆さんには意見をいっていただきたいですね。
中西:単純にいって、音楽の仕事をしている人達の間で、音楽の話をする機会が少なすぎますよね。これからは、もっと音楽の話をしましょう!