会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
世界の音楽市場と日本
各団体がオーガナイズする海外進出の「拠点」から日本の音楽を配信
常に必要とされるライブ
TIMMが年に1回、東京に世界の音楽関係者を集めて開催される音楽見本市とするなら、現地に定着して日本の音楽情報を発信し続けているのが、北京(JAMIC)、上海、ソウル(JMIC)、済州島に開設された「日本音楽情報センター」。PROMICが現地スタッフと協力しながら運営、移り変わる各国の音楽市場に対応し、情報を収集・発信しています。各センターには視聴機器を設置してあり、センター会員へ向けてJ-POPを中心とした最新ソフトを提供するだけではなく、日本のアーティストによるライブや、著作権セミナー、シンポジウムを通した違法コピー排除への啓蒙活動も行なっています。99年5月オープンの北京の日本音楽情報センターでは現在、視聴可能ソフト数は7000枚を超え、会員数は14000人を突破。音楽情報誌の提供や、ワークショップ、イベントの開催、中国での日本音楽紹介ラジオ番組の制作など活発な運営を続け、2003年には日中の相互理解及び友好親善に寄与したとして、在中華人民共和国日本国大使館、阿南惟茂特命全権大使より在外公館長表彰を授与されました。
毎年1月にフランスのカンヌで開催される世界最大規模の音楽見本市「MIDEM」に、文化庁や各団体の後援を受けながら92年より「ジャパン・スタンド」を出展しているのが日本音楽出版社協会。2005年からはJETRO(日本貿易振興機構)と共同出展になり、今回で6年目を迎えました。ジャパン・スタンドでは、プロモーションCDの配布とプロモーションビデオの上映を行ない、JASRACをはじめ日本の音楽関連団体のパンフレットも配布。AMWE、壱岐尾彩花、Kimeruの3組が出演したライブイベント「Japan Night」を開催しました。
日本音楽事業者協会、日本音楽出版社協会、音楽制作者連盟の3団体で構成する日本音楽団体協議会では、今年3月に日本のアーティストの情報を世界に発信するための専用ページ「SYNC MUSIC JAPAN」(シンク・ミュージック・ジャパン)をMySpace Japan内に開設。300組以上のアーティストの情報を海外に向けて発信しています。ページ内では、各アーティストのMySpaceのプロフィール・ページともリンクさせ、英文のニュース発信やランキング情報、海外ツアーやイベントへの出演情報なども掲載。MySpace上にプロフィール・ページを保有していないアーティストについては、ページ開設や英語翻訳をサポートしています。また、海外主要コンベンションともリンクさせ、コンベンションのオーガナイザーと3団体加盟社を結びつける役割も果たしています。特筆すべきは、海外向けにライブ映像を配信したいというアーティストに対して行なっている、USTREAM生中継の配信サポート。これまでに、NEXUS、布袋寅泰、VAMPS、JACK IN THE BOX、LUNA SEA、 ABSTINENCE’S DOOR #005,#006の生中継を行ない、5回連続して同時視聴者数の世界1位を獲得。インターネットを駆使した情報発信は、まさに「COOL」なやり方だと言えるでしょう。