ライブ・エンターテイメントEXPOセミナー 2月6日 幕張メッセにて | |
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パネリスト | (写真左より) 桂田隆行:日本政策投資銀行 地域企画部課長 加来聖子:ACPC理事/GAKUONユニティ・フェイス代表取締役社長 |
モデレーター | 長井延裕:ECSAプロデューサー/LIVE ENTERTAINMENT Lab.副代表 |
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
3つのディスカッションから見えてきた、スポーツとエンタテインメントの接点
令和20年のライブ・エンタテインメント市場予測
ライブの価値創出が市場を左右する鍵
考察を進めるきっかけとして、長井氏による、ライブ市場の現在のプレゼンテーションからスタートしました。大まかにいえば「公演数、入場者数、売上高ともに伸びており、堅調。ただし、人口の増加を含めて関東圏に偏りがあり、コンサートに足を運ぶ8割は女性」が現状。桂田氏からは「関東にシェアが集中している状況下で現在、全国でスタジアム・アリーナの建設が計画されています。計画者側は会場さえつくれば、どんな地域でも常時コンサートで使ってもらえると思っている」との指摘。加来理事は「使用料が相当安いということでもなければ、各地のプロモーターは借りようとしないでしょう」と冷静な回答。長井氏が「では、どうするべきか」に論点を移しました。「お金を払ってコンサートを観た経験のある人は意外と少ない。逆にいえばポテンシャルを秘めているわけで、まずライブ人口自体を増やすことを考えるべき」(加来)、「サラリーマンの接待文化の中に、ライブを観るという選択肢はこれまでないのではないか。大人の男性の観客を増やすには、ライブと飲み会を兼ねられるようなスタイルへの工夫もあってよいのでは」(桂田)、「音楽ファンではない人達が、お金と時間をかけたくなる価値の創出がポイント。スタジアム・アリーナの建設自体が目的ではなく、観光資源のツールとして使う意識を持つべき」(長井)などの意見が続きました。最後に加来理事が「人の心を豊かにして、笑顔にして、明日への活力につながるのがライブ。仕事に向かう元気の源にもなることをアピールしていきたい」と締めました。