A中西:Jリーグは今、何チームあるのでしょうか。
J中西:現在、J1で18チーム、J2で22チームの合計40チーム。新たにJ3を立ち上げることが決まりましたが、開始初年度の2014年は、10または12チーム程度での開始を想定しています。
A中西:ACPCの正会員社は57社(2月20日時点)ですから、規模的にも近いですね。その57社が扱っているライブ・エンタテインメント全体の動員が、概算で去年初めて年間3000万人に届いたんです。
J中西:それは大変な数字ですね。Jリーグは数年前から「イレブンミリオンプロジェクト」を立ち上げていて、年間入場者数1100万人を目標にしていた時期もありました。現状では大体、年間800万人から900万人のお客様にJリーグを観ていただいています。去年の調査でうれしかったのは、ニューカマーの方が45万人くらいいたことです。Jリーグを初めて観にきたお客様がそれだけいたということは、東日本大震災のことを踏まえると、ライブでサッカーを楽しむことを求めてくださっているという実感がわきますね。
A中西:ライブでJリーグを観るのは、特別な経験ですからね。テレビで観戦するのも楽しいですが、空気、音、肌で感じる感覚が全然違います。
J中西:それとJリーグが誕生してから20年が過ぎて、親、子供、孫の3世代のお客様がサッカーを楽しんでくれるようになったんです。
A中西:家族共通の話題は、日本で失われつつあるといわれていますが、スポーツや音楽は本来その役割を担えるんですよね。同じスポーツや音楽が好きだと、震災以降によく使われるようになった言葉でいえば、絆が確かめられるわけですから。
J中西:これは他のエンタテインメントも同じだと思いますが、サッカーは、まず観戦に行く前の期待を高める情報があって、試合そのものを楽しんで、その後も試合の感想を語り合って盛り上がれるじゃないですか。家族でもそうですし、友達の間でもそうですし。
A中西:本当にサッカー・ファンが話していると止まらないですよ。僕も同じです(笑)。
J中西:私が事務局でよく話しているのは、「Jリーグの仕事は、週末の試合でビジネスするだけじゃないよ」ということなんです。「週末にJリーグの試合があるライフスタイルを提供するビジネスだから」と。試合の日だけじゃないんです。試合の前と後を含めたエンタテインメントをお届けするために、自分たちに何ができるのかがテーマなんです。
A中西:同感ですね。僕がよく使っている言葉は、「ライブスタイルをライフスタイルにしてもらおう」です。
J中西:いい言葉ですね(笑)。
A中西:チケットを購入した時から、もっといえばその前から、ライブを観る日を楽しみにして過ごしてもらいたいですから。
J中西:Jリーグのビジネスも同じです。チケットや年間シートを買っていただいた瞬間からの楽しみ方も提供するのが、我々の仕事だと思います。
A中西:週末にJリーグの試合を見に行くと思うと、ミッドウィークの働き方とか、仕事の後の時間の過ごし方とか、全部変わってくるんですよ。まあ、僕は結局、お酒を飲みに行っちゃいますが(笑)。