会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
第9回東京国際ミュージックマーケット、開催
世界へ「ビジネスチャンスのクロスオーバー」
新たな試みとともに会場も移転
財団法人音楽産業・文化振興財団(PROMIC)と経済産業省が主催する「第9回東京国際ミュージックマーケット(2012 9th TIMM)」が開催されました。今回は、会場をこれまでの品川から台場へと移し、イベント運営の方法にも新たな試みが取り入れられました。その一つが、個別商談会での会場共有です。これは、TIMMと同じく「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)」の一環として開催された映像カテゴリーのコンベンション、「TIFFCOM 2012」「東京国際アニメ祭2012秋」「Creative Market Tokyo2012」と商談の場を共有することで、いわば「ビジネスチャンスのクロスオーバー」を起こすために発案されたもの。その効果は確かに現れており、各ブースで商談に臨む海外バイヤーの姿が例年以上に見受けられました。
ビジネスセミナーのテーマは「Sync Summit 2012 —意外に知られていない日本音楽の効果的な海外進出方法—」。欧米におけるSync(音楽によるタイアップ)のプロセスやマーケットの現状が語られました。
各音楽関連団体とともに、ACPCも運営協力をして開催されたショーケースライブは、出演者数こそ前回の21組から16組と絞り込まれましたが、その内容は例年以上にバラエティに富んだ内容でした。ライブは二部構成でプログラムされ、まず新人アーティストを中心とした「ルーキーズ10ミニッツステージ」からスタート。秋赤音、テレパシー、河野マリナ、桜木せいら、麻生夏子、でんぱ組.inc、Hiroco Ponissi、三浦サリー(五十音順)の各出演者は短時間の中、強いインパクトを残すべく熱演を披露してくれました。続くショーケースライブでは、Prague、Schroeder-Headz、THE BOHEMIANS、東京女子流、D☆DATE、アリス十番、WORLD ORDER、中川翔子(同)が登場。オールドスクールなロックンロール・バンドもいれば、ダンス・パフォーマンス・グループもいるというラインアップからはJ-POPの多様性が充分に感じられました。実際のステージも、華やかなアイドル・グループの登場で盛り上がったかと思えば、天才的なひらめきを感じさせる演奏が耳に飛び込んでくる場面もあり、海外バイヤーの印象に残ったと思われます。