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松田宏美(キョードー北陸)

ACPCの役員だけではなく、広く加盟社の方々にも寄稿いただく「VOICE」のコーナー。
今回、原稿を執筆いただいたのはキョードー北陸の松田宏美さんです。

私がキョードー北陸に入社して7年になります。
このイベンターという仕事、キョードー北陸という会社で働くことで、経験できたことが沢山あります。また、この仕事に就いていなかったら一生行くこともなかっただろうコンサートや、ここで働いていなかったら一生見ることができなかっただろう景色に、感動の涙を流したことが本当に沢山あります。

その度に、私はあるコンサートを思い出します。それは、私が入社するきっかけとなった、中島美嘉さんの新潟県民会館でのコンサートです。
私は高校生の頃からコンサートへ行くのが大好きで、その気持ちは新潟から東京へ進学しても変わりませんでした。しかし、ただ「音楽が好き」という気持ちしかなかった私は、就職活動で音楽業界を目指すも、もちろん惨敗。その後、新潟へ戻り印刷会社で働きました。社会人になって2年目の23歳。仕事にも慣れ、音楽といえば車の中で聴くくらいで、コンサートへ出かけることもなくなって、彼氏ともそろそろ結婚(!?)なんて時に、友人に誘われて久しぶりにコンサートへ行くことになりました。それが中島美嘉さんのコンサートです。

その日の会場は、チケットも売り切れで、超ど満タン。コンサート会場独特の、薄暗い場内やお客さんのざわざわした雰囲気にドキドキワクワクしながら、一緒に行った友人と「昔はそんなこと思わなかったけど、係員が若いよね。私たちも年とったね」なんて馬鹿話をしていたのを覚えています。開演後は、2時間の非日常の世界にどっぷり浸っていました(その中でも、「雪の華」で真っ暗なステージにキラキラ輝く星空の演出は、感動的でした)。アンコール後の会場いっぱいの拍手と笑顔の中で、「私はこういう所で仕事がしたかったんだな」と改めて感じ、現実と比較して、少し悲しくなりました。
が、翌日! 事件が起こりました。会社へ向かう出勤の車の中。ラジオから「キョードー北陸ではスタッフを募集しています」という求人広告が耳に飛び込んできたのです。私は「これしかない! 今しかない!」と勝手に運命を感じ、履歴書を送りました。

お客様目線のチケット販売

コンサートには、その人の人生を変えちゃうくらいの力があると思います。日常がどんなにしんどくて、辛くたって、大好きなアーティストや音楽に触れたら「また明日から頑張ろう」って踏ん張る勇気が不思議と出たりします。
今の私の目標は、一人でも多くのお客様に「このコンサートに来て良かった!」「これを観て良かった!」と思ってもらうことです。そう思ってもらうためにも、まずは一生懸命チケットを売りたいと思います。

私たちキョードー北陸では、コンサート会場で他アーティストのチケット販売を行なわせていただいています。「この客層にはこれだろう!」と、毎回試行錯誤で販売ラインナップを決めますが、意外な結果が出た時ほど「なるほどー」とヒントを貰います。また、同じ公演でもその日のライブの良し悪しで、売れ枚数が雲泥の差というのもやってみて気づいたことです。やはり良いライブの後は、お客様もノリノリで「次はコレ!」と買ってくださるのです。チケットを売る上で、また、コンサートを運営する上で、お客様を知ること、そしてお客様目線でサービスを提供することが、今の私たちの大きな課題です。

私は31歳になりました。
例えば、あのまま転職もせず、結婚して、子供を産んで……という人生も幸せだったかもしれません。しかし、私は「今の方が絶対に幸せ!」と胸を張って言い切れます。そう言えるのは、コンサートから、会場のお客様の笑顔から、そして一緒に働く仲間から、沢山の力をもらっているからだと思います。時には、忙しさに心をなくしてイライラしたり、失敗して落ち込んだりすることもありますが、そんな時はコンサートへ出かけ、「明るく元気に!」再スタートを切りたいと思います!

写真は、今年で5年目を迎えたチケットの「新春初売」でのものです。今年は、新潟の総合ショッピングセンターと長野県松本の百貨店で販売! 開始直後はお客様の列が100メートルもできるほどご好評をいただききました。元旦からハッピを着て、全社員で「気」を込めた新春初売です!

松田宏美プロフィール

まつだ ひろみ
1979年生まれ。
2004年にキョードー北陸へ入社し、現在はチケットデスク部に所属。


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