音楽出版社協会、実演家著作隣接権センターおよびACPCが共同で開講した寄附講座が、4月7日より幹事校の立命館大学産業社会学部を会場に行なわれています。この寄附講座は、同大学で客員教授を務める反畑誠一ACPC特別顧問のコーディネートにより、平成4年度からスタートした実績があり、今年度も毎回、各メディアや音楽・映像、IT業界から講師が登壇し、リレー方式で講義を受け持っていただいています。
通年で行なわれるシラバス(講義内容)のうち、既に公表されている前期(7月21日まで)15回講義の特徴は、その総合講座名「デジタル/ネット文化・産業論Ⅰ」からも分かるように、杉本誠司さん(ニワンゴ代表取締役社長)の「ニコニコ動画進化論2010」、猪子寿之さん(チームラボ代表取締役社長)の「CGと3D〜コンテンツ創作の近未来図〜」、畑陽一郎さん(日本レコード協会 事務局次長)の「日本のレコード産業史(デジタル化編)及び違法音楽配信の実態と対策」、來住尚彦さん(TBSテレビ赤坂サカス推進部部長)の「空間メディア文化創出とデジタル技術」など、デジタル/ネット系のテーマと取り組む講義が多くラインアップされることにあります。
その他、エンタテインメント産業界から迎える講師陣の講義は、大里洋吉さん(アミューズ最高顧問 兼アミューズ総研“Skhole”代表)の「日本文化とアート〜東京・浅草に新名所アミューズミュージアム誕生物語〜」、原田真二さん(シンガー・ソングライター 兼音楽プロデューサー)の「鎮守の杜コンサート〜心の環境問題を訴える〜」など独自の発想で音楽文化・産業と取り組まれている現況から、丸山茂雄さん(247Music取締役会長)の「コンテンツ産業進化論〜世紀の転換・技術の発達〜」、新田和長さん(ドリーミュージック取締役エグゼクティブ・プロデューサー)の「J-POP進化論〜加藤和彦、小田和正から平原綾香まで〜」、北川直樹さん(ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役コーポレイト・エグゼクティブCEO)の「ソニーレーベル42年史」など多彩な切り口で、過去・現在・未来を学習するところまで、時代のニーズに適応した講義内容になっています。さらに反畑特別顧問が担当するオリエンテーションから2回の総括講義、中西健夫ACPC副会長(ディスクガレージ代表取締役社長)の「続伸するライブ・エンタテインメント産業の課題」が加わり、充実のラインナップになりました。長年行われている立命館大学での寄附講座は、 ACPCが独自に行なっている東京工科大学のそれと同様、ここから業界の未来を担う人材が輩出されることも期待できそうです。
※文中の講義名は変更されることがあります。