書籍名：障害者の舞台芸術 鑑賞サービス入門
出 版：NTT出版
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
障害者の舞台芸術 鑑賞サービス入門
ライブ・エンタテインメント業界人必読！
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。
障害者対応の教科書
「障害者差別解消法」の施行や、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催などにより、「人が集まる場所には、誰にでも開かれた環境が必要である」という意識が浸透しつつある。ACPCでも様々なアンケート調査や人材育成研修会での専門家による講演など実施しているが、コンサート会場においても障害者対応のガイドライン作りが必須の時代になったといえるだろう。今号でご紹介するのは、障害者対応の教科書になり得る新刊、日本障害者舞台芸術協働機構の南部充央代表理事による著書である。
本書は広く舞台芸術全般の従事者を対象にしており、コンサートに特化したものではないが、例えば視覚障害のあるお客様を座席やトイレに案内する際の基本姿勢と注意事項、聴覚障害のあるお客様とのコミュニケーションの取り方（簡単な手話や筆談など）が、イラスト入りでコンパクトにまとまっているページは間違いなく参考になるだろう。また一概に「障害」といっても、人によって様々な特性があるが、本書では「障害を知る―障害種別基本特性」という章が設けられており、その中で視覚障害者から見えづらい視覚要素、聴覚障害者にとって聞こえにくい音声が具体的に示されている。さらには車いす、補助犬、補聴器、杖などについての解説も役に立つはずだ。
