会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

ライブ・エンタテインメントに関わる専門知識からコンサートプロモーターの歴史まで。明日の仕事に役立つ「STUDY」をお届けします!

▲メールでの質問にお答えいただいたジャパンリスクソリューションの井上泉代表取締役社長

2018年6月に「働き方関連改革法」(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)が可決・成立、今年4月より各法が順次施行となったことを受け、ライブ・エンタテインメントに関わる企業も対応を迫られています。ACPCでは法案成立に先んじて同法についての調査・研究を進めており、関係省庁に対してコンサートプロモーターという職種の実情説明も行ってきました。2018年4月には日本音楽制作者連盟と共催でセミナーを開催、そういった活動の一環として、今年3月に『Q&Aで学ぶライブ・エンタテインメント業界のための労務管理ハンドブック』を発行しました。

同書はPart1の「労務管理の基本編」から始まり、Part2ではACPC会員社に実施したアンケートをベースに、各社の経営者や総務人事の担当者が現在、直面しているであろう問題をQ&A形式のケーススタディで学べるようになっています。企画・取材を担当したのはユリコンサルティング石井由里代表、執筆にジャパンリスクソリューションの井上泉代表取締役社長、リーガルアドバイスはIAL綜合法律事務所の中村直裕弁護士。制作陣を代表して、井上泉代表取締役社長に同書をうまく活用するためのポイントをお伺いしました。

―総務人事の担当者が、このハンドブックから学ぶべき点はどんなところでしょうか。

井上:総務人事の担当の方なら、この冊子のPart1(労務管理の基本編)はほぼご存知かと思います。Part2(Q&A)は、日々の労務管理にあたってよく出てくる質問をベースにしており、実務面から参考になると思います。Q&Aを読み、その回答部分の根拠をPart1で確認していくというふうにされると、一層理解が進むでしょう。

―実際のところ、働き方改革の中でもどこが大事なポイントなのでしょうか。

井上:特に経営者、管理職の方にご理解いただきたいのですが、ややもすると、働き方改革を規制の強化や面倒が増えるというふうにネガティブに考えがちですが、働き方改革は日本の少子高齢化(人口が減り続ける)、ワークライフバランスを踏まえれば、当然しなければならない取組です。会社の持続的発展のために必要という前向きの発想で取り組んでいただきたいと思います。

―どういう立場の人に読んで欲しいとお考えですか。

井上:このハンドブックのターゲットは、経営者、管理職層においていますが、それ以外の社員の方にも十分お役に立てるでしょう。ただ、労働関連法令の改正内容を見ると、会社の行うべき措置や義務が強化されており、また今後もこの傾向は変わらないでしょうから、労務管理を実施する立場の人がまず理解しておくということが大切です。

▲『Q&Aで学ぶライブ・エンタテインメント業界のための労務管理ハンドブック』の表紙。本文はイラスト入りで分かりやすく構成されている。

冊子はACPC会員社を対象に配布しています。お問い合わせはACPC事務局まで。


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