書籍名:100人が語るフジロック伝説
出 版:SHINKO MUSIC MOOK シンコ−ミュージック・エンタテイメント
一般社団法人コンサートプロモーター協会
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会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。
書籍名:100人が語るフジロック伝説
出 版:SHINKO MUSIC MOOK シンコ−ミュージック・エンタテイメント
FUJI ROCK FESTIVAL(以下、フジロック)は、日本の音楽シーンにおいて最も重要な「オリジナル」の一つである。大規模な野外ロック・フェスティバル自体は、1969年開催のアメリカのウッドストックが嚆矢であるし、継続型のものでは70年からスタートしたイギリスのグラストンベリーがあるので、全くのオリジナルと定義するのは語弊があるかもしれない。しかし、97年に誕生したフジロックの後を追って日本全国で野外フェスが開催されるようになり、その流れが結果的に「ライブの時代、フェスの時代」を創出したことはあまりに大きい。また、ライブに文化的な多様性を持ち込むアグレッシブな姿勢を失わず、日本のポップ・カルチャー全体においても最先端の場であり続けていることも特筆すべきである。2018年からは一部のステージをYouTubeで生配信するそうだが、日本のアーティストを海外に紹介する役割もより強化されていくだろう。
本書は出演アーティストや現場スタッフ、メディア関係者、地元の協力者、幅広い職業のフジロッカー(リピーター)の証言によって20年の歴史を振り返る構成になっているが、どの言葉からも「オリジナル」に参加する喜びに溢れている。フジロックが切り拓いてきたものの大きさが強く感じられる一冊だ。