スポーツとエンタメが交わる場に地方創生の鍵がある
日本最大のライブ・エンタテインメント産業の展示会「第5回 ライブ・エンターテイメントEXPO」が2月21日から23日の3日間、幕張メッセにて開催されました。ライブの企画・制作・主催に関わる最新の機材や各種サービスが一堂に集まり、同時に「イベント総合EXPO」「地方創生EXPO」「スポーツ ビジネス産業展」も開催されました。
21日には日本テレビのラルフ鈴木アナウンサーによる司会進行のもと、「日本のエンターテイメント、スポーツ、地方創生を考える」をテーマに、ライブ・エンタテインメント議員連盟会長の石破茂衆議院議員、日本トップリーグ連携機構の川淵三郎代表理事会長、ACPCの中西健夫会長による基調講演が行われました。
▲ライブとスポーツ、そして地方創生を語る上で、これ以上ない顔ぶれが揃った基調講演の壇上。
講演は10分ずつのプレゼンテーションからスタート。川淵会長は「日本のアリーナ施設は、音楽などのエンタテインメントでの利用収入のおかげで黒字経営につながっています。新しい会場をつくるときは、音楽業界の意向を基本設計の段階から取り入れることが大事。スポーツでの利用が中心の“体育館”ではなく、エンタテインメントでも利用しやすい“アリーナ”をつくることで、地域に合ったかたちでのハード面、そしてソフト面の充実を図ることができ、地域発展の拠点になり得ると思います」と述べたほか、沖縄市で計画が進められている1万人規模の多目的アリーナを例に挙げ、同会場での画期的なVIP向けスイートラウンジの説明もありました。
石破議員は「キーワードは“モノからコトへ”。みんな同じ“モノ”を欲しがった昭和の価値観が“コト”へと変化したからこそ、ライブ・エンタテインメント市場は活性化し、スポーツを通しての連帯が求められるのだと思います。また“東京から地方へ”と流れを変えないと、新しい日本は望めません」と指摘。中西会長は「沖縄の多目的アリーナは、スポーツ界と音楽業界が計画のスタート段階から話し合いに参加し、方向性が決まった初めてのケース。これをモデルケースとして、全国に広げていけたらと思います。また、東京オリンピック・パラリンピックを控えての会場不足問題を念頭に、2013年に発足したライブ議連は、現在チケット高額転売や地方創生も課題となっています」と、ACPCとスポーツ産業、議連との連携の広がりを語りました。
講演は中西会長の「地方創生という意味でも、アリーナをつくるだけではなく、アリーナを中心とした街づくりが大事。トップリーグ連携機構とACPCで一緒に考えるべき問題が山積していることから、両団体を中心にアリーナ環境の整備を目的とする、新たな組織をつくる計画も進めます」という発言で幕を閉じました。基調講演は2000人を超える聴衆で埋まり、ライブ、スポーツ、地方創生に関する注目度の高さが窺えました。
▲客席では多くの来場者が講演に耳を傾けていました。