チケットの高額転売問題、加速する法規制への動き
昨年12月7日、衆議院第2議員会館・第2会議室においてライブ・エンタテインメント議員連盟の総会が行われました。ACPCからは中西健夫会長、石川篤総務委員が出席。6月に音楽業界初の公式チケットトレードリセール「チケトレ」を正式オープンするなど、ともにチケットの高額転売問題に取り組んできた日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンピュータ・チケッティング協議会の方々と意見を述べました。
当日は山下貴司衆議院議員の司会進行のもと開会。冒頭で議連会長の石破茂衆議院議員から「議連としてチケットの高額転売を規制する法案(仮称『特定興行入場券の転売に関する法律案』)の骨子を了承しました。一刻も早く成立させたいと思っていますので、次の通常国会に提出できるように、自民党内の手続きを進めながら、公明党さん、野党の皆さんとも相談していきたいと思います」と報告があり、立法化に向けての動きを今後、加速させていくロードマップが明らかになりました。
総会に続いて記者会見も行われ、アーティストを代表して武田鉄矢さん、サカナクションの山口一郎さん、そしてスポーツ界からは東京オリンピック・パラリンピック組織委員会スポーツ局長の室伏広治さんが参加。武田さんは「ダフ屋というものは昔からありましたが、私どもが若い頃はスケールもそんなに大きくなかった。今はネットを使ってかなり悪質になっています。若いアーティストはお客さんに観てほしくてコンサートをやっているのに、そのお客さんを阻むことになってしまっているので、法律で守っていただきたい」と話し、続いて山口さんが「全国ツアーでファンの方々と話す機会があったのですが、『3~4万円出してコンサートに来ました』と言っていました。ファンからすれば愛情を注いでくれているつもりだと思いますが、お金がミュージシャンに還元されていないことへの自覚がないようです。今日をきっかけに、そういった現状を知っていただければと思います」と語りました。さらに室伏さんも「多くの方にとってオリンピック・パラリンピックを観られるのは一生に一度。だからこそ公平に観られるようにしていただきたい」と発言。音楽界からも、スポーツ界からも、チケットの高額転売に対する法規制を強く望む「現場の声」が相次ぎました。
会見後の質疑応答では取材陣からの熱心な質問が続き、この問題への関心が日増しに高まっていることを感じさせました。同日に発表されたチケット転売サイト最大手のサービス停止のニュースとともに、数多くのメディアで総会の様子が報じられたことを付け加えておきます。