アーティストの支持も高いサービスの仕組み
フー・ファイターズ、ザ・1975、ハリー・スタイルズなど50組以上の有名アーティストや、『ハミルトン』『ハリー・ポッター』といった人気ミュージカルが、チケット販売に「Verif iedFan」を導入しています。これはアメリカ最大のチケット販売会社であるチケットマスターが5月より開始したシステムで、チケットを大量に取得するボットの規制や、ネットダフ屋の排除が狙いです。
「Verif ied Fan」の仕組みは以下の通りです。1:チケット購入を希望するユーザーは、指定期間内に「Verified Fan」に登録。2:そのユーザーがボットやネットダフ屋ではないか、自動プログラムでメールアドレスやチケット購入履歴などを審査。3:チケットの販売開始日、審査に通ったユーザーの携帯電話に「オファーコード」と「販売ページへのリンク」がテキストメッセージで届く。4:メッセージ内のコードとリンクを使ってチケット販売ページにアクセスし、制限枚数内での購入が可能。
ただし、メッセージを受け取る順番はランダムで、販売は先着順。ひとつのユーザー・アカウントからの購入は一度のみです。
アメリカでは人気チケットの6割がボットで購入されると見られていますが、ブルース・スプリングスティーンはこのシステムの導入で、チケット転売の数を以前の15%~50%まで抑えたようです。テイラー・スウィフトは「Verified Fan」導入に伴い、ファンが彼女のグッズやCDなどを購入することでチケット購入の確率が高まる仕組みを取っていますが、賛否両論です。
チケットマスターを運営するライブ・ネーション社が複数のチケット転売サイトも運営していること、公演の関係者が転売サイトにチケットを横流ししていることなどは引き続き問題視されています。
そして、アメリカでの「TwicketsUSA」の開始も発表されています。Twicketsはファン同士のチケット売買を仲介するイギリス発のサービスで、売買は定価もしくはそれ以下のみ。買い手が10%の手数料を支払う仕組みです。同サービスはアデルやエド・シーランとも正式に提携するなど、アーティストからの支持が高く、アメリカでも多くの利用が見込まれます。
参考文献:rollingstone.com「 InsideBruce Springsteen and Taylor Swift'sWar on Scalpers, Ticket Bots 」/theguardian.com「Bad blood ! IsTaylor Swift’s ‘verif ied fan’ systema way to reward followers ‒ or ripthem of f?」/billboard.com「TwicketsLaunches in North America」