この度、新理事に就任致しました関岡裕史と申します。1986年、関西で初めてオンラインでのチケット販売が始まった年に、新卒で㈱キョードー大阪に入社致しました。
当時は、弊社のチケットセンターが大阪駅前のマルビルにあり、月に2~3度、人気コンサートチケットを求めて徹夜で並ぶ方々の整理にあたるという、新入社員ならではの業務を行っておりました。
その後、チケットセゾンなどのPGと業務提携し、徹夜でのお客様の整理という仕事はなくなりましたが、「興行の基本」みたいなものを感じる機会が多くありました。
この31年間で、興行の世界も大きく様変わりし、興行本数も10倍以上に膨れ上がり、一気に大量のチケットを販売できるシステムも出来上がりました。しかしながら、ステージに上がる出演者の方々の意識や、コンサートを楽しむ側の心構えに、大きな差異はありません。コンサートを主催する側が大事にしないといけないことは、まさにここにあると思います。
興行本数が増えたからと言って、一つ一つの公演をおろそかにしてはいけませんし、一気に大量のチケットを捌けるようになったからといって、一人一人のお客様をおろそかにしてはいけません。
ステージで人生をかけて演じる、演奏するアーティストに対して、我々ができることは客席を満席にして、盛り上げて、次もまたコンサートをやりたいと思っていただくこと。決して安価ではないチケットを購入されたお客様に対しては、チケット代以外の余分な手数料を排除するなど、チケットを購入しやすくし、会場では安全を担保しながらも、よりサービスされたホスピタリティを提供することだと思います。
エンタテインメントの重要性が声高に言われるようになった昨今、我々が率先して実行しなければいけないことは、ずっと以前に言われていた、「興行の基本」なのではないかと感じています。「音楽や演劇が、感動や勇気や元気を与えてくれる」と思って下さる多くの方々へ、私も最大限の努力をして、皆さまと一緒に役割を果たしていきたいと思います。
今後とも、ご指導のほどよろしくお願い致します。