ダンス・ミュージックの国際カンファレンス&イベント「TDME」で語られた
日本初のダンス・ミュージックに焦点をあてた国際カンファレンス&イベント「TOKYO DANCE MUSICEVENT」(以下、TDME)が、2016年12月1日(木)から3日(土)の3日間、東京・渋谷の5会場にて開催されました。
近年、EDMの流行を受けて市場規模を拡大するダンス・ミュージックについて、多様な切り口から議論し理解を深めることで、日本の音楽業界の活性化をめざしたこのイベント。シーンの最前線で活躍するキーマンが世界各国から招聘されました。
渋谷ヒカリエホールAで行われた「カンファレンス(国際会議)」の初日は、主にライブ・ビジネスにまつわるテーマが議題に。「日本のプロモーターによる音楽フェス事情」というパネルには、ACPC会員社よりスマッシュやクリエイティブマンプロダクションの担当者も参加。日本のフェスにおいてもダンス系アクトは若年層からの支持が厚く、ステージ演出に費用がかかる反面、動員数の増加に繋がるのでメリットは大きいという見解でした。
さらに「アジアのフェスティバル革命」では、マレーシア発の船上パーティー「It's The Ship!」や、タイのソンクラン(水掛け祭り)とEDMフェスが融合した「S2O SongkranMusic Festival」といった、「特別な体験」に注力したフェスの成功例を紹介。Zeebra氏ほか2016年6月の風営法改正に尽力した有識者も多く登壇し、徐々に好転しているクラブの状況を報告しました。
2日目のカンファレンスは、マーケティングやストリーミングなどの話題を中心に展開。世界のEDMシーンを牽引するウルトラ・レコーズのCEOパトリック・モクシー氏がプロモーション論を披露したほか、昨秋に日本上陸したSpotifyをはじめ各定額制音楽配信サービスの責任者らが登壇し、業界の現状について議論しました。
また、レッドブル・スタジオ東京で開催された「セッションズ(音楽制作)」では、国内外の著名なDJ/ アーティストを迎えてワークショップを実施。さらに渋谷の各ヴェニューを舞台とした「ライブ(音楽パフォーマンス)」も全5公演が行われ、ジョルジオ・モロダーや石野卓球など国内外の人気DJが夜を盛り上げました。
カンファレンスの登壇者と直接対話できる機会も設けられ、ダンス・ミュージックについての知見と共にコネクションを広げることもできたTDME。今後も年1回のペースで開催を予定しており、参加者がシーンのトレンドを共有し合い、新たなヒントを掴むことのできる場となることが期待されます。( 文:北野創)