自然と音楽の融合
MINMIがプロデュースするFREEDOM aozora(以下FREEDOM)は毎年、淡路島、東北(宮城県)、九州(宮崎県)で行われている野外フェス。これだけのインフォメーションでは「なぜ、この3エリアでの開催なのか」が伝わりにくいですが、各地のFREEDOMは「復興支援」というテーマでつながっています。宮崎に本社を置き、九州全域を業務エリアとするGAKUONユニティ・フェイスで、FREEDOM九州を担当する富井章悟さんに、宮崎でも開催されるようになった経緯、その中で独自性をどのように打ち出してきたのかを伺いました。(撮影:小嶋秀雄)
富井:FREEDOMは2008年にZeepツアーという形でスタートして、翌年には阪神・淡路大震災からの復興支援をテーマの一つとして淡路島で開催(同年には鹿児島でも開催)、2010年から口蹄疫や鳥インフルエンザの被害に見舞われた宮崎、2013年からは東日本大震災で大きな被害を受けた宮城でも行われることになりました。運営面ではそれぞれ個別に開催しているフェスですが、FREEDOMの旗のもと、MINMIさんや湘南乃風を中心に復興支援という目的で3つの開催地がつながっている感じです。宮崎からすると、口蹄疫で落ち込んでいる時に全国の皆さんから助けていただいた分、今度は自分達がお役に立ちたいという気持ちが強く、東北へ物資を届けるなどの支援を続けてきました。
これはFREEDOM全体の特徴でもあるのですが、九州でも打ち出していきたいのは「自然と音楽が融合する野外フェス」というカラーなんです。みやざき臨海公園 サンマリーナ宮崎 多目的広場を会場に選んだのも、海に面していて自然に囲まれたロケーションが決め手になりました。通常は多目的に利用されている公園で、芝生が広がるスペースに子供向けの遊具やアスレチック、バーベキューの施設も併設されています。MINMIさんもお子さんがいらっしゃることもあり、家族連れでも楽しめるフェスにしたいという希望があり、託児所を設けたり、後方に家族がレジャーシートを敷いて観られるようなエリアをつくっています。
この公園は宮崎県の管轄する施設なので、行政との協力関係は不可欠ですし、県からは毎年後援をいただいています。地元の商業組合や企業も様々な形でバックアップしてくださっていますね。地元の焼酎メーカー、雲海酒造さんには特別協賛という形で入っていただき、宮崎市内の商業エリアでFREEDOMと連名のフラッグ展開、飲食店とのタイアップを一緒に進めています。またフェス当日は、宮崎の食文化や気候風土に根ざした伝統野菜の栽培研究に取り組む「百姓隊」が出演者やお客さんに野菜を提供するなど、食についても地元ならではのカラーを意識しています。
それとこれは運営側が特に意図しているわけではないのですが、観客層の大半を20代の女性が占めているんです。MINMIさんのファン層も若い女の子が増えているそうで、例年女性が7割、2014年に西野カナさんが出演した時は8割までいきました。コンサートやフェス全般の観客層の年齢が上がっているという話をよく聞きますので、実はこの点がFREEDOMの最大の特徴かもしれません(笑)。