ACPCが公益目的事業の一環として実施している、教育機関での寄附講座。東京工科大学、宮城大学、昭和音楽大学で開講した2015年度の講義内容をご報告します。
東京工科大学メディア学部での「メディア特別講義II ライブ・エンタテインメント論」は9年目を迎え、エンタテインメント産業の拡大の表れともいえそうな、多岐にわたる分野の講師陣に登壇をいただきました。講義はそれぞれのジャンルにおける最新のトピックに留まらず、「ライブ」というテーマを軸として、各分野におけるライブ・エンタテインメントとの接点、活用方法などもご教示いただきました。本年度は新たに映画プロデューサーや、アーティストのKUREI勇輝さんにもご参加をいただいた他、ロサンゼルスと講義会場をSkypeでつなぎ、現地よりリアルタイムで講義を展開するという、従来になかった試みも行いました。
宮城大学の「ライブ・エンタテインメント ビジネス論」は2年目に入りました。事業構想学部を中心に行われている同講義はプロモーターを中心に、ライブに特化した講師ラインナップ。また、ライブ運営の現場を知るために、仙台市内の複数の公演会場を巡るバスツアーを企画したり、アーティストによるラジオの公開収録をワークショップと位置付けるなど、実際に現場の空気に触れる機会をカリキュラムに盛り込んでいます。
昭和音楽大学の「音楽産業概論II」は5年目の開講にして、現在の形式では最終年度。音大ゆえのコース編成に合わせた、クラシックやミュージカル分野の講義も行う一方、Webや放送などのメディア、音楽マーケティングといったカテゴリーでも講師を招聘し、様々な角度から音楽ビジネスを捉えられる講座を目指しました。嘉門達夫さんのギターと歌を交えての講義「パロディーソングと著作権」も大盛況。昭和音大で行われた講義の中には、次号掲載予定のテーマとリンクする内容のものもありましたので、そちらで改めてレポートします。
また、一般社団法人日本音楽出版社協会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センターとの共同寄附講座として、立命館大学および大学コンソーシアム京都を対象に「エンタテインメント・ビジネス産業論」も開催。中西健夫ACPC会長がゲスト講師(6月12日)として参加させていただきました。