書籍名:ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた
出 版:河出書房新社
一般社団法人コンサートプロモーター協会
サイトTOP>会報誌 ACPC navi>AUTUMN 2015 VOL. 27>ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。
書籍名:ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた
出 版:河出書房新社
その国のカタチを決めるのが法律であるとするなら、文化も法律と無縁ではいられない。立法によって豊かになる文化、広がる市場があり、また逆の例もある。今号8ページから掲載されている、風営法をテーマにした齋藤弁護士のレクチャーに目を通すと、そんな当たり前のことがリアルに感じられる。
『ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた』は、2010年頃から無許可のクラブ営業に対する摘発が急増(2010から13年の年平均摘発件数は、それまでの2.3倍)したことを受け、風営法反対の声が高まり、ついには同法が改正されるに至る過程を数々の証言も交えて記録したルポ。風営法の歴史や海外のクラブ事情も解説されている。齋藤弁護士の記事を読み、この問題に興味を持った方がいたら、ぜひ一読をお薦めする。
本書に収められた声を端的にまとめれば「音楽やダンスを楽しむためのクラブが『風俗営業』として規制されることへの疑問」となるが、同時に多くの人が「同じ価値観のもとに集まれる場所の大切さ」を強く感じていることが分かる。ネット時代になっても、場所があることで文化は育まれ、経済効果も生まれる。その点では、間違いなくクラブは全国のコンサート会場、ライブハウスやフェスとつながっている。