クリエイティブマンが「And More!」を立ち上げた狙い
全国各地で行われている音楽フェスティバルの情報は、日々、様々なメディアを通して届けられています。オフィシャル情報がSNSや各種ニュースサイトを通して拡散し、ユーザーに届けられる流れは、ここ数年でほぼ定着したといっていいでしょう。ただし、情報の中身を見てみると、段階的に発表される出演アーティストのラインアップなど、動員に直結するものが中心にならざるを得ない面もあり、フェス全体に触れたり、多面的な切り口を提供する記事が多いとはいえません。そんな中、SUMMER SONIC、PUNKSPRING、Springroove、LOUD PARKなど数々のフェスを手がけるクリエイティブマンプロダクションが、フェスをテーマにしたWEBマガジン「And More!」を立ち上げました。自社関連以外のフェス情報も幅広く発信するサイトをスタートさせた理由、コンサートプロモーターが自らメディアを持つ意義を、同社宣伝部部長・平山善成さんに伺いました。
平山:ここ数年、弊社が関わっているフェスが増えてきまして、主催しているものから制作や運営をお手伝いしているものまで、年間10本近くになります。そうなるとオフィシャル・サイトや既存のメディアだけでは、充分な情報発信が難しくなってくるんです。例えばオフィシャル・サイトであれば決定した情報をいち早く伝えることが第一ですし、外部の音楽専門メディアですと出演アーティストのインタビューなどが中心になりますよね。もちろん、それらが大切な情報発信であることは今後も変わらないのですが、初心者を対象にファッションやフェスで役立つグッズやノウハウをレクチャーしたり、さかのぼって過去のステージを紹介する記事まで切り口を広げられれば、よりフェスを身近に感じてもらえるかも知れないし、記事からオフィシャル・サイトに誘導できるかも知れない。そのためには自社でメディアを持つ必要があると考えました。
WEBマガジンである以上は自社関連以外の国内フェスも取り扱っていきます。すでにFUJI ROCKの記事などもアップしており、大規模な総合フェスから音楽ジャンルに特徴があるフェスまでをバランス良く紹介することで、他にはないフェスに特化した音楽サイトであることをアピールしていきたいと思っています。まだスタートしたばかりで手探りなのですが、ビジネスとしてシビアにとらえればオフィシャル・サイトやSNSとの連動状況をきちんと把握しなくてはいけないでしょうし、ゆくゆくは広告媒体としての価値も高めていければと考えています。外部の制作会社に編集はお任せしているとはいえ、メディアとしての方向性は一緒に考えていますので、フェスを運営する側として積み上げてきた経験値を「And More!」でも活かしていきたいですね。
撮影:「And More!」(http://andmore-fes.com/)のトップページには、ファッションスナップ「LUNATIC FEST.を彩った女子達を激写!」、お役立ち情報「【サマソニ超攻略】早起きは三文の得!朝イチで会場入りするべき4つのメリット 東京編」などのコンテンツが並ぶ。右はお話を伺った平山善成さん