書籍名:ニューヨーク アウトドアコンサートの楽しみ
出 版:産業編集センター
一般社団法人コンサートプロモーター協会
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ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。
書籍名:ニューヨーク アウトドアコンサートの楽しみ
出 版:産業編集センター
アメリカの白人層にとって、カントリー・ミュージックは特別な音楽である。日本人には実感しにくいが、伝統的なカントリーは未だにアメリカのヒットチャートで根強い人気があり、テイラー・スウィフトのようにカントリーをバックボーンにした新世代のシンガーも誕生している。
一方で白人にとってのカントリーにあたる黒人音楽といえば、ご存知の通りジャズ。ジャズがアメリカ社会でどのように位置づけられているかは、今号のMUST BOOKに目を通せば、たちどころに理解できるだろう。本書は、セントラルパークなどニューヨーク市内の公園で毎夏開催される野外音楽フェスを、日本人写真家が豊富な写真でレポートした「フェスの楽しみ方」ガイド。これらのフェスは無料、または任意の寄付で楽しむことができ、市民の間で定着している。ステージで演奏される音楽は、多彩なジャンルもあるとはいえ、中心はジャズ。世界的に流行しているEDMでも、黒人音楽の現在の主流であるHIP-HOPでもない。
ポピュラー・ミュージックの流行が移り変わろうとも、アメリカ音楽の中心にしっかりと定着しているジャズとカントリー。そして、アメリカには両者を日常的に楽しめる環境がある。近年、アメリカ文化の影響力の低下がささやかれているが、この「基本構造」が健在である限り、アメリカは音楽大国であり続けるだろう。