書籍名:英国一家、日本を食べる
訳 :寺西のぶ子
出 版:亜紀書房
一般社団法人コンサートプロモーター協会
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会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。
書籍名:英国一家、日本を食べる
訳 :寺西のぶ子
出 版:亜紀書房
中西健夫会長連載対談でも語られている通り、現在のライブ・エンタテインメントでは、「食」も重要なファクターになってきている。フェスの飲食ブース然り、ライブ・レストラン然り。外国人観光客も訪れる場となれば、なおさらだろう。食はその国の文化を伝え、娯楽にもなり得る。それを証明するのが今号のMUST BOOKである。
『英国一家、日本を食べる』は、イギリス人のフードジャーナリスト、マイケル・ブースが妻と二人の子供(6歳と4歳)を連れて日本を訪れ、東京で天ぷらやクジラ、大阪でお好み焼き、京都で豆腐や流しそうめん、北海道でカニ、福岡でラーメン、沖縄でゴーヤチャンプルーなどを食べ歩く紀行文である。ブース氏は未知の食材、街と人との出会いをユーモラスに描くだけではなく、食の専門家としてメニューの背後にある地域の歴史や風土にも考えを巡らせる。この辺りは食の専門家ならではの筆致だが、彼の妻の意見からは「素人」らしい新鮮な驚きが伝わってくるし、子供達の日本食に対する反応は日本人の予想をはるかに超える。本書は、食に対する知識、年齢も様々な外国人が、それぞれ日本食のどんな点に興味を持ち、各地の地域的特徴をどのように受け止めるのかを知る上で、格好のサンプルにもなっている。「外国人観光客向けのエンタテインメント」を考えるためのヒントに満ちた一冊だといえるだろう。