書籍名:大韓ロック探訪記
出 版:DU BOOKS
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ライブ・エンタテインメント業界人必読!
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書籍名:大韓ロック探訪記
出 版:DU BOOKS
韓国の音楽シーンでは、次々に新人がデビューするダンス&ヴォーカル・グループ、情感を込めた歌唱力で勝負するバラード・シンガーが主流で、ロック・バンドがヒット曲を放つのは難しい。そんな中、インディーズながらデビュー・アルバムが韓国では異例の4万枚を超えるセールスを記録した「チャン・ギハと顔たち」。同バンドのギタリスト兼プロデューサーは日本人である。
日本でバンド活動をしていた長谷川陽平氏は、韓国ロックに魅せられ、1995年に初渡韓。2005年に伝説のバンド、サヌリムの再結成に参加。2009年から前出のチャン・ギハ~に加入。本書は長谷川氏の活動歴を通して、日本で報じられることが少なかった韓国のロック事情を明らかにしている。一読すると、やはり日本のほうが恵まれた環境にあることが分かるが、どちらの国の(アマチュアを含む)ミュージシャンが幸福なのか、一概にはいえないと感じた。例えば長谷川氏が共著者であるライターの大石始氏に語ったこんな言葉。
「(韓国は)日本のライヴハウスみたいにチケットのノルマもなかった。客が入らなかったとしても「客が入らなくてごめんね」って(店側から)言ってくるんです。(中略)韓国はそういう人情で動いてるんです」
本来、韓国は経済効率優先の傾向が日本より強いはずだが、ロックは別のようだ。