4月26~28日/5月2~5日 アメリカ・ルイジアナ州
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
New Orleans Jazz&Heritage Festival現地レポート
ライブ・エンタテインメントに関わる専門知識からコンサートプロモーターの歴史まで。明日の仕事に役立つ「STUDY」をお届けします!
New Orleans Jazz&Heritage Festival現地レポート
地域色を最大限に活かしつつビッグネームも登場
New Orleans Jazz&Heritage Festivalは、アメリカ・ルイジアナ州のニューオーリンズにて、1970年より開催されている野外フェスティバルです。NPO団体のNew Orleans Jazz&Heritage Festival Foundationをフェスのオーナーとして、大手プロモーターのAEGが関わっています。今年で44回目を迎える同フェスは、4月26〜28日と5月2〜5日の計7日間、500組以上の出演者が12のステージに登場する大規模なもので、今年は約42万5000人を動員しました。同フェスは毎年、約300億円の経済効果が見込まれるそうです。
ラインアップはニューオーリンズのジャズやR&Bを筆頭に、ソウル、ファンク、ロック、フォークの他、ブルースにゴスペル、ザディコ、ケイジャンといったルーツ色の濃いもの、アフロにカリビアン、ラテンなど同地の多様な民族性に基づく音楽があり、非常に幅広いです。ブラス・バンドやマルディグラ・インディアンなど、同地ならではのアクトが目を引く一方、ビリー・ジョエルやマルーン5、ジョン・メイヤーといったビッグネームも大観衆を集めていました。
一般の前売り券は1日あたり50ドル。4日通しで1200ドル以上のVIPチケットもあります。客層は男女がほぼ半々。中高年層が5〜6割で、それ以外は若者や、キッズも含むファミリー層です。みんな折り畳みの椅子を持ち込み、ゆったりと楽しんでいました。バリアフリーも進んでおり、車椅子の観客専用の通路やトイレが随所にありました。ただし、ゴミの分別はあまり徹底されているとはいえず、終演後はゴミが目立ち、クリーンな会場運営では日本が大きく進んでいるようです。
飲食ブースでは、ほとんどのメニューがアメリカ南部の郷土料理で統一されていました。また、ニューオーリンズ文化をモチーフにしたアート展や、ルイジアナの先住民族、ネイティヴ・アメリカンの文化に関する展示・パフォーマンスが行われ、地域文化の継承に非常に熱心です。
このフェスではステージの写真撮影はOKですが、音声や映像の録音・録画は禁止です。会場内には「LIVE RECORDINGS」のブースがあり、過去を含めた同フェスでの選りすぐりのライブ音源が販売されています(今年の出演アーティストは予約販売)。それらの音源はブース内のタブレット端末で試聴も可能、ネットでも販売されています。