8月9日
東京国際フォーラム G602会議室
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
ACPCセミナー2012 グレッグ・パーロフ氏 講演会ダイジェスト
ライブ・エンタテインメントに関わる専門知識からコンサートプロモーターの歴史まで。明日の仕事に役立つ「STUDY」をお届けします!
ACPCセミナー2012 グレッグ・パーロフ氏 講演会ダイジェスト
他社との差別化は日米共通の「成功の鍵」
8月9日にグレッグ・パーロフ氏の講演会が行われ、その後、当日の模様を収録したDVDを正会員社の皆様には発送させていただきました。どちらもまだチェックできていないという方のために、講演内容の一部をお届けします。
パーロフ氏は、ロックの殿堂・フィルモア・イーストを創設した伝説のコンサートプロモーター、ビル・グラハムの元でキャリアをスタートさせ、現在はアナザー・プラネット・エンタテインメント社CEO。同社はサンフランシスコの大手プロモーターとして、ブルース・スプリングスティーンやデイヴ・マシューズ・バンドなどのビッグ・アーティストによる多数の公演や、大型野外フェス「トレジャー・アイランド・ミュージック・フェスティバル」のプロデュースも手掛けています。パーロフ氏が語った「成功するコンサートプロモーター」とは—。
「成功する会社には、二つの要素が必要だと思う。まずコンサートのプロモートで資金を作るキャッシュフロー、そして会場の運営から利益を上げること。アナザー・プラネット・エンタテインメントでは、サンフランシスコのベイエリアにある会場を運営している。また、マネージメントやエージェントと良好な関係を保つことも大事だ。
もう一つ、私たちがフィロソフィーとしているのは、チケットの値引きをしないこと。私たちのチケットはLIVE NATIONより20%ほど安い。LIVE NATIONも同じエリアで興行を行うが、私たちのほうがソールドアウト率は高い。また、興行の成功を確信できたらチケットの値上げもするが、私たちがチケットの値引きをしないことはユーザーも理解してくれているから、ユーザーが公演直前まで値引きを待つことなく、早めにチケットを買う動きがみられる。このやり方が日本のマーケットにおいて正しいかはわからないが、自社のカラーとライバル社のカラーで差別化を図ることは日米共通で大切だろう。
常に良い仕事をしていれば、それは次の仕事に繋がる。人との信頼関係が築ければ、たとえその一つの公演の儲けが少なくても、公演はたくさんやれる。大企業を悪くいうつもりはないが、彼らはあまりそういう考え方はしない。だから、大企業がインディペンデントなプロモーターを打ち負かすことはできないのだ」