日本音楽著作権協会(JASRAC)の北浦康司さんに、JASRACとACPCの団体協定などについて語っていただいた。まずはJASRACの歴史から紹介し、次にJASRACの役割について説明があった。「JASRACはコンサート、カラオケ、CD・DVDなどの音楽利用者から支払われる使用料を、作詞者・作曲者、音楽出版社などの権利者に分配する著作権管理団体です。使命・役割は、効率良く音楽利用者から使用料を納めていただき、できる限り多くの使用料を迅速に権利者に分配すること。世界でもトップレベルの管理ができていると自負しておりますが、それはACPCをはじめ利用者の方々のご理解があってのことだと思います」。
2000年10月よりJASRACとACPCの団体協定が締結され、各社がJASRACの支部に直接行なっていた利用申込業務をACPCが一括申請するようになった。それによってACPCの使用料は通常より20%の減額措置を受けている。そこに至るまでの経緯として、「1988年に任意団体としてACPCが設立されて、それまでのJASRACとの手続の不備等を解消しつつ、著作物使用料の減額措置を要望されました。その後も、粘り強く交渉は続けられ、2000年に団体協定が発効されるに至りました。1984年の使用料規定改定から、大変長い時間が経過したわけですが、その間、ACPC役員の皆様や事務局、会員社の方々が苦労されながら交渉にあたったという記録も残っております」。
ACPCとJASRACとの協議を振り返り、「一朝一夕にはならなかった団体協定締結ですが、現在はスムーズに運んでいると思います。最後に、面倒な作業ではありますが、迅速な楽曲報告をお願いいたします。音楽業界の安定的な秩序が保たれ、文化としての音楽が循環する一つのサイクルだというご認識を持っていただいて、今後ともよろしくお願いいたします」という言葉で締めくくられた。
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