違いと共通点 3 *会場運営*
TomorrowWorldでは観客入場時の写真付きIDのチェックと、荷物検査・ボディーチェックを厳格に行っていました。これはドラッグなど危険物の持ち込みを防ぐための処置です。
会場内では飲食物やグッズの購入に現金やクレジットカードは使用できず、すべてTokenという電子マネーでの支払いでした。来場者のリストバンドにはそれぞれ固有のTokenデータを管理する非接触型のICチップが入っており、各ベンダーに設置されたICリーダーにリストバンドをタッチすることで決済します。1Token=約2.2ドルで、Webサイトや場内のToken購入ブースでTokenをチャージできます。ちなみに水のペットボトル1本で2Tokens、フードは5~7Tokensでした。
場内のクリーンさや観客への丁寧な案内などは、日本のフェスが大きくリードしていますが、スピーカー付近にいる観客には耳栓を配布するなど、独自の心配りも見られました。
数は多くありませんが、車椅子の観客も参加しています。野外の会場でところどころに傾斜もありますが、移動のサポートは係員よりも周囲の観客が率先して行う場面がよく見られました。
変わった点としては、会場内やキャンプサイトに小型のロッカーが多数用意され、そこでスマートフォンが充電できるようになっていました。これは現在の海外フェスにおいて、観客のスマートフォンによる写真やビデオ撮影、そしてSNSへの投稿が一般的であり、それがフェスそのもののプロモーションに繋がっていることも背景にありそうです。