宮垣:東京のプロダクションや制作会社から見れば、便利屋さんになっちゃっている。そのうち会社の規模も大きくなってきて、社員も増え、一般管理費は膨らんでいきますから、それを捻出するためには委託公演の本数を増やさないといけない。昔に比べれば資金繰りは楽になったといえますが、悪循環ともいえる。本当はそういった状況を、努力して変えていかなくてはいけないと思いますが、画期的なアイディアはまだ誰も考えついていないのではないでしょうか。
山崎:でも、改めて考えてみれば、プロモーターはしぶとく生き残っている会社が多いですよね(笑)。なぜ生き残れているかといえば、僕の理解では、我々はどんな形であれライブ・エンタテインメントしかやってこなかったからだと思います。バブリーな事業に手を出した企業が、立ち行かなくなってしまうことも多い中で。だからプロモーターはしぶといんですよ。
宮垣:それは身の程を知っているということでしょう(笑)。
山崎:その通り(笑)。それが我々のいいところであって、自分達の本分を守る気持ち、リスクを背負う気概を持ち続けていれば、ライブ・エンタテインメントというジャンルにどんな企業が進出してきても、絶対に負けないと思います。