―法律ができたことへの達成感は業界全体に広がりつつあると思いますが、次のステップは法律の内容に踏み込んだ広報活動になるのでしょうか。
野村:チケットを買ってくださる皆さんに、特定興行入場券とはどんなものなのか、知ってもらうところから始める必要があります。これまでイリーガルな二次流通が行われていたチケットとはどこが違うのか、きちんと説明できなくてはいけない。「特定興行入場券」という名称からは、ちょっと堅苦しい印象を受けると思いますので、もう少しカジュアルに、フレンドリーに伝えられるような広報活動が求められるでしょうね。特定興行入場券とそうじゃないものの境界線がどこにあるのか、認識していただくためのシステムづくりは既に始めています
東出:現状ではお客さんに分かりやすくするために、特定興行入場券に共通のマークをつくり、チケットに掲示するという案が出ています。また、特定興行入場券のオフィシャルな二次流通も大至急、整備していく必要があります。
中井:それをやらないと転売がどんどん地下に潜っていき、こちらも捕捉しにくくなってしまいます。
中西:とにかく分かりやすくという方向性がいいと思うんです。そもそも法律用語をベースにした話は、どうしても難しくなりがちじゃないですか。「業として」の「業」も、一般のユーザーの耳には届きにくいと思いますし、もっと分かりやすい言葉を使って我々が啓蒙活動をすることが大事です。
中井:ユーザーの側だけではなく、実は我々の側もまだまだ疑問点があるわけですよね。売り手の側、主催者側でも啓蒙して、リテラシーを上げることも同時にやっていかなくてはいけません。
中西:全くその通りで、これは個々の会社の役割にもなってくると思いますが、せっかくここまできた流れを止めないためにも、やるしかないと思います。
野村:現場でお客さんからどういう質問が出てくるか、具体的で分かりやすい例のピックアップを始めています。
中井:Q&A集みたいなものがあれば一番いいですよね。