世界の音楽市場を豊富なデータで俯瞰しながら、日本の音楽産業における「ライブと音源ビジネスの共通の課題」を明らかにしていただきました。三菱総研の調べによると、ユーザーの音楽への年間出資額(ライブ約4,500円、音源約3,400円)は横ばいが続いており、音楽への無関心層は全体の31%に上るそう。また音楽市場のベテランアーティストへの依存度は高く、音源の売上やライブの動員で目立った結果を残すのは、デビュー後5年以上のアーティストが中心。それらを踏まえると、音楽産業全体とレコード会社の未来に必要なのは、ゲームやスマホとの戦いに勝ち、無関心層をも振り返らせる若いスーパースターとヒット曲の誕生です。「ヒットを生むには、資金力やテクノロジーだけではなく、個人の思いが大切です」と強調された上で、感情こそがエンタテインメント・ビジネスをドライブさせること、ライブと音源ビジネスを共存共栄させるためには、過去のデータを超えるこだわりと熱量が不可欠との結論を述べられました。
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。