親子で楽しむフェス
―最後に、今年のライジングサンがソールドアウトした理由を、どのようにお考えですか。
若林:地元の音楽好きの人達は、開催期間の天気予報が発表されてからライジングサンのチケットを買うのが習慣になっていまして(笑)、こちらとしては胃が痛いんです。そんな中、ソールドアウトにつながったのは、他のフェスとはちょっと違った意味で出演アーティストと一緒に企画した内容が、たまたま好評を得たのが理由の一つだと思います。観客層を考えても、今年出演していただいたB’zや久保田利伸さんは、40代から50代がファンの中心で、お子さん方がちょうど15歳から20歳くらい。その子供世代に支持されているWANIMAや[Alexandros]も出演していて、ちょうど親子で行けるフェスになったことが大きいと思います。僕の高校時代の友人からも「娘と一緒に行きたいんだけど」とチケットを頼まれましたから。以前であれば親に「ロック・コンサートに行きたい」といったら怒られたのが、今は音楽文化が成熟してきたということだと思います。
ただし、僕らは売り切れたことに満足していたらダメで、次は通常のプロモーター業務に戻って、ライジングサンで「このアーティストを初めて観た」というお客さんにワンマン・コンサートにも足を運んでいただくチャンスをつくらなくてはいけない。年間500以上のフェスがあるといわれている中で、ワンマンの動員にちゃんとフィードバックするのが簡単ではなくなってきたという悩みも並行して生まれきています。