永田:先程も言いましたが、サンデーフォークの井上さんの呼びかけで始まったACPCという団体が、なぜ始まったか、どんな目的で活動しているのかを、もっと若いスタッフに理解してほしいですね。著作権使用料についてのJASRACとの団体協定も、大きな成果のひとつであって、それだけではありませんから。
山崎:JASRACに支払う演奏権使用料については、交渉が始まった当時は全国のプロモーターにとって、自分達の利益を圧迫する死活問題だったと思いますが、ビジネススキームが変わった現在、若いスタッフにとってそれ程のリアリティはないのかも知れませんね。ホールの使用料と同じように、単に経費として処理すべきものという認識に近いのではないでしょうか。値上げされるのであれば、それはそれで仕方ないじゃないか、という程度で考えている面があります。
宮垣:各地のイベンターは、特にそうでしょう。委託で公演を引き受けているのであれば、同業者を含め、東京の会社に精算書を出すだけですから。演奏権使用料はいくらでしたと。経費として計上するものの、あくまで一項目であって、大事なのは少ない金額でも自分の会社にいくら残せるかだから。一律であったり、パーセンテージだったりする委託料、または管理費用、マネージメント料をいただいて。それが日常的な仕事です。
山崎:ある意味では、リスクを背負わない、背負う必要がないという問題がそこに集約されているわけですね。