永田友純会長(2001~2008年)
山崎芳人会長(2008~2012年)
山崎:正式に締結したのは、永田さんが会長に就任してからですよね。四川飯店で「いよいよですね」という話をしたのを憶えています。
永田:締結した時の顔合わせの席ですね。
宮垣:団体協定が締結されるまでは、なかなか会員社に加盟することのメリットを示せず、団体運営も本当にお金がなくて大変だった(笑)。
山崎:本当に貧乏でした(笑)。3月になると、会社は年会費を前払いして、運営資金にあてているような状態でしたね。
宮垣:役員は皆、手弁当。各地方から理事会で集まっても、飛行機代、ホテル代は、会社の経費で来ていました。
永田:僕が会長になってから、とにかく考えていたのは、団体の赤字を減らすことです。会員社の演奏権使用料をACPCが一括して支払うことで手数料をいただくだけではなく、助成金が出る調査研究や公益事業などに事業の幅を広げて、少しでも団体運営が滞りなくできるよう必死でした。JASRACとの関係も、使用料が細かく2年ごとにパーセンテージが上がることもあって、安心はできないじゃないですか。ACPCが一括して支払うシステムの中で、金額の控除がどの程度実現できるのかも併せて、山崎さんに会長を引き継いだ後も交渉は続いていきます。
山崎:永田さんの時代に団体協定が締結され、新たに加盟してくる全国のプロモーターが増えたことは確かです。JASRACが10年計画で料金を改定すると発表したことで、改めて会員社がまとまった面もあったと思います。値上げに反対するにせよ、控除の条件を良くするにせよ、やはり団体の存在が必要だという認識が広がっていきますよね。ただし、今はACPCに入れば使用料の控除が受けられることが当たり前になってしまっているので、それはそれで問題だと思うんです。僕が会長だった2年前の4月で、料金改定の3段階の経過措置が最後のゴールまで来ちゃったわけで、それ以降はほとんど交渉の場がなくなってしまった。となると、減額を含めてACPCの会員社である恩恵も当たり前になってしまう。
宮垣:全国の会員社にとって、委託公演の場合は演奏権使用料を東京のプロダクションなり、制作会社なりに出す精算書に経費として計上するだけだから、コストダウンをしようという意識も薄くなっているでしょう。
永田:そういった現状を踏まえると、ACPCが団体協定を締結している意味や、そこに至る道程を、きちんと若いスタッフに伝えることは重要だと思います。