復旧に向け、ひとつの「場」が築かれつつあります
このたびの東日本大震災で被災された皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
史上稀に見る規模の震災によって、広範な地域にわたり農業・漁業・畜産業に甚大な被害が生じています。東北地方のライブ・エンタテイメント産業だけを見ても、公演で使用していた多くの会館が破損し、復旧の見通しも立っておりません。また、社会システムの複雑化の反動なのでしょうか、平時では想像のつかなかった支障も次々と発生しており、その対応も一筋縄では参りません。
まずは被災された皆様が、可能な限り不安のない日常生活を送ることができる、インフラの復旧が急務です。それでも復興の過程においては、各地のさまざまな会館で行なわれ、人々に活力を与えてくれるライブ・エンタテインメントもまた求められるはずです。そして、会館の修復に向けては、自治体への陳情も視野に入れております。その際は東北地方のプロモーターが個々に申し入れるのではなく、プロモーター各社が直接連携を取り、意見を揃えていくことが求められるでしょうし、すでにその協議は始めています。
まだ仙台中心の動きではありますが、そのプロモーター各社の連携に、照明や音響といった舞台設備を扱う会社や、公演に参加するお客様が利用されるホテルなどの施設、イベントを告知してくださる放送局など、ライブ・エンタテインメントに携わる人々が集い、ひとつの「場」が築かれつつあります。そこでの情報交換や意見交流で新しく開けるものがあるはずです。
また、この難局に置かれた私達の間には、困難に対処するための知恵や工夫、経験も徐々に培われているように思います。その知恵を重ねていくことで人が変われば、いずれは街そのものも変わっていくはずです。
