-まずは「チケトレ」オープンに至る経緯からお聞かせください。
中西:意見広告によって、チケット高額転売問題は色々なメディアでも取り上げられるようになり、日頃ライブ・エンタテインメントを楽しんでくださっている方々からも幅広い意見が寄せられるようになりました。それらの声を、是非も含めて受け止めた上で、やはりどうしても現状を見過ごすことはできない、我々自身も変わっていかなければいけないことが明確になってきて、まだまだ完璧ではありませんが、「チケトレ」のスタートにつながったと思います。
野村:この問題に取り組むにあたって、3つのテーマを掲げました。1つは啓発活動。チケットの高額転売によって、アーティストやライブの主催者、エンタテインメントに携わっている人々みんなが本当に大きなダメージを受けているんだと知ってもらう活動です。高額で転売されているチケットは買ってほしくないし、もちろん出品もしてほしくない。それを徹底的に知ってもらうことが大事でしたが、これは意見広告によって、かなり浸透させることができたと思います。
-確かに啓発活動として大きな成果を得られたと思います。
野村:次はやむを得ない理由で 会場に足を運べなくなった方々への対策。公式のリセールの環境はなかったわけですが、購入いただいた方がそのチケットを無駄にしないように、どなたかに譲れるプラットフォームは必要だったわけです。これについては公式の「チケトレ」の運用がスタートしたことで、対策の第一歩が踏み出せたと思います。
最後のテーマは、チケットの高額転売を取り締まる法律がないことですが、現在まさにこのような形で立法化へ向けた動きを国会議員の先生方に働きかけているところです。