会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

対策が進む海外の最新情報

アメリカ

2016年12月15日、オバマ大統領(当時)が「ベター・オンライン・チケット・セールス・アクト(BOTS法)」に署名しました。2015年に民主党議員によって提出され、上院・下院の議会で成立したこの連邦法は、ボット(ネット上でチケットを大量購入するプログラム)の利用を禁止するもので、違反者には罰金が課されます。アメリカでは人気チケットの60%がボットで買い占められていると見られ、批判の声が高まっていました。スポーツも含むアメリカのチケット転売市場は80億ドル(約9000億円)に達しており、転売が公式に行われるケースも多い中、この法案の成立で不正なチケット買い占めの抑制が期待されます。
The New York Times「Congress Moves to CurbTicket Scalping, Banning Bots Used Online」By BEN SISARIO DEC. 8, 2016

イギリス

政府機関の競争・市場庁は2016年12月19日、有名転売サイトのヴィアゴーゴー、ゲットミーイン!、スタブハブ、シートウェイヴに対して、消費者権利法違反の疑いで捜査を開始しました。2015年に改正された消費者権利法に基づき、転売チケットには「額面価格」「座席番号」などを明示する義務がありますが、その規則を守らない転売が横行しています。イギリスではアーティストやマネージメント、プロモーターが「ネットダフ屋行為の法規制」を求める活動を積極的に行いましたが、その要望に対する政府の見解は、チケット販売時の本人確認の厳格化および転売サイトの法令順守といった指導に留まっており、規制の強化を求める声が続いています。
Billboard「U.K. Government Launches Yet AnotherInvestigation Into Secondary Ticketing」12/19/2016 by Richard Smirke

イタリア

2016年11月、テレビ番組「Le Iene」でライブネーション・イタリアが転売サイトのヴィアゴーゴーにチケットを横流ししていたと報じられ、チケット転売そのものの禁止を求める声が高まりました。同月に文化大臣が議会に提出した法改正案は、発行者以外による転売市場でのチケット売買を禁じており、オンライン・オフラインを問わず違反者には5,000ユーロから180,000ユーロの罰金が課されます。さらに、チケット転売サイトが違法な転売を促進したと見られる場合、転売サイトの責任で出品を取り消すか、重大な場合にはサイトがブロックされ、それによる損害賠償請求も不可能です。なお、改正案は「営利目的ではなく、偶発的で、人から直接転売された場合には処罰されない」とされています。
IQ Magazine「Italy set to outlaw secondaryticketing」By Jon Chapple on 30 Nov 2016


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