うまいランチの定番店
キャピタルヴィレッジがある東京・千駄ヶ谷は、文教地区に指定されていることもあり、落ち着いた街並が広がっています。その中で異彩を放っているカフェ・レストラン、その名も「泥人形」。芥川龍之介の小説に登場する言葉が店名の由来で、入口の佇まいは音楽にたとえるなら濃厚な昭和歌謡。会社からすぐ近くということもあり、社員の皆さんが通うランチの定番店になっているのこと。「うまいけれど、キョーレツな店です」という塩川さんの言葉に誘われて地下に降りていくと、店主の林秀雄さんがカウンターの中でフライパンを振っていました。
林:ここに店を構えて35年になります。昔から国立競技場や東京体育館の催し物の後で流れてくるお客さんが多かったですね。結構距離はありますが、この辺りは飲食店が少ないですから。あとはランチ。よく出るメニューは日替わりかミックスピラフ、それとうちのオリジナルのミートスパゲッティです。ハンバーグとかの洋食、揚げ物も人気です。いつもランチに来てくれている人達がコンサートプロモーター? 有名な歌手と仕事をしているの? そうなんですか……いや、全然知りませんでした。お客さんのプライベートには立ち入りませんのでね(笑)。
林さんのこの素っ気なさが、逆にランチタイムをリラックスしたものにしているのかも知れません。