2014年度より、ACPC寄附講座の実施先に宮城大学が加わり、1年目が終了。全15回の講義は2年目以降も継続予定です。ご担当いただいているのは事業構想学部・事業計画科の宮原育子教授。まだ開講して間もないとはいえ、現状どのような手応えを感じているのか、今後はどのような講義内容を期待しているのか、学生の就職問題を含めてお伺いしました。
宮原:事業構想学部は自らが起業して、ビジネスを展開できる人材の育成を目指して設立された学部で、私は主に地域の資源を活かした観光交流、地域振興をテーマにした研究を行っています。また、東北を元気にするための産学官連携のプロジェクトにも参加しています。2003年から仙台市で集客交流ビジネスに関する委員会が始まり、そこでACPCの副会長も務めていらっしゃるGIPの佐藤(寿彦)社長と一緒になり、以来様々な取り組みをしている中で、今回の寄附講座のお話をいただきました。
実際に講座が始まって、音楽業界やメディアの中心にいらっしゃる方々が講師として仙台に足を運んでくださるようになり、本当に感謝しております。学生達は、まず音楽やコンサートを楽しむ個人的な立場から講座に興味を持つことから始まり、そして、講師の先生方から、ライブ・コンサートが開催当日の1年以上前からプランニングされ、多様な業務に就いている方々が力を合わせていくことで初めて成立することを学び、ライブ・ビジネスに対しての興味が一層深まっているようです。ライブ・コンサートの開催に至る過程は、新しいビジネスを計画して、それを実行・運営していくという、まさに自分達が事業構想学部で学んでいることの流れと、ある意味では一緒だと気づくようです。
先ほどもお話したように事業構想学部は、自分で起業できる人材の育成を目指していますが、卒業後は企業に就職する学生も多いです。受講生は1〜2年生中心なので、進路を決めるのはこれからだと思いますが、現状でも学生から「どうしたら音楽やライブ関連の仕事に就けるのでしょうか」などの質問も出ています。講師の先生方にも、なるべくご自身のヒストリー、「こういうきっかけで私はこの世界に入った」といったお話をしていただくようにしています。今後はライブ・エンタテインメント業界を進路のひとつとして真剣に考える学生もより増えてくると思いますので、そのニーズに応えるためにも、講座でもワークショップのような、学生達が実際にライブの現場を経験して、少しでもお仕事のお手伝いをさせていただけるようなプログラムがあると面白いと思います。