TREASURE05X」は、サンデーフォークプロモーションが開催していた不定期イベント「TREASURE MAP」が発展する形でスタートしました。定例化したのは2004年、当初のタイトルは「TREASURE052」。「052」とは名古屋市の市外局番を示しますが、06年に豊田スタジアムを会場に使用したことを機に、現在のタイトルに。その最大の特徴は、ライブハウスを中心に数カ所をサーキット(出演者は会場ごとに変更)した後、最終日に大会場(現在は蒲郡ラグーナビーチ)でフィナーレを迎える「ライブサーキット型フェス」であること。この形態を10年間維持してきたねらいを、同社の間瀬光太郎さんに伺いました。
間瀬:この形態を続けているのは、少しでも多くのアーティストをステージに立たせてあげたいという、単純な思いからなんです。通常のフェスであれば出演者の数は限られていて、特に新人アーティスト中心のオープニングアクトは、狭き門になってしまうじゃないですか。「TREASURE05X」は、今年もライブハウスが4カ所5公演、通し券の対象外が3公演、蒲郡ラグーナビーチを含めて全9公演ありますから、100組弱のバンドやアーティストを紹介できます。
音楽ジャンルでいえば、ロック、ラウド、メロコア、パンクなどがメインで、会場もライブハウスが多いこともあって、観客層は若いです。最終日のラグーナビーチも近くに遊園地があったり、もともと海沿いで砂浜が広がっている場所なので、若者がグループで遊びにきやすいエリアなんです。ラグーナビーチのキャパシティは、現段階で1万1000〜2000ですが、今年初めて完売できましたので、来年以降、可能ならもう少し増やせればと思っています。
ラウド系のロックは、決して主流ではないかもしれないですが、そういう音楽を提供するフェスも突き詰めてやっていけば、カラーを確立することができると考えていました。もちろん、「TREASURE05X」の影響だけではありませんが、最近の東海地区のインディーズシーンは盛り上がってきています。もともと名古屋はロックが弱いといわれていたんですが、他にイベントも増えてきたり、個々のライブの動員も上がってきています。そういった流れを絶やさないためにも、このフェスは続けていきたいですね。