会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

ミュージカルを「日常的」に楽しめるシアターを

韓国の作品を起点に、新たなミュージカル市場を開拓しようとしているのが、4月25日にオープンするアミューズ・ミュージカルシアターです。同シアターを運営するアミューズは、映画『シュリ』を初めて日本に紹介した実績があり、映画、K-P0Pに続く韓国エンタテインメントの定着をねらいます。シアターを担当する八巻保宏さん、李銀喜さんにお話を伺いました。

ブルーシアターだった場所が生まれ変わり、東京・六本木にオープンするアミューズ・ミュージカルシアター

八巻:アミューズ・ミュージカルシアターでは、こけら落とし作品『カフェ・イン』を始め、韓国のミュージカルを8~10作品上演していくつもりです。なぜ、韓国の作品にスポットを当てたかというと、この10年で韓国のミュージカル市場が力強く育ってきたことが背景にあります。その象徴が大学路(テハンノ)という地域で、政府や企業のバックアップのもと、現在200から250の劇場があるといわれています。

李:大学路で上演される作品の特徴は、若い演出家や音楽家、俳優たちによる作品が中心になっているところです。観客も作品に愛情を持っていて、一緒に作り上げていく登竜門的な作品が何本もあるのが強みですね。ミュージカルは敷居の高いものではなくて、日常的に「今日は時間があるから、何か大学路で観ようか」と足を運べるものなんです。

八巻:そういった環境ができているのは、ミュージカルの舞台に立つステイタスが確立していることも大きいと思います。大学のミュージカル学科も偏差値が高いそうです。だから、身近でありつつ、実力のあるキャスティングの良質な作品が生まれるのだと思います。

李:内容的にも、シンデレラ・ストーリーや歴史ものが多い韓国ドラマと違って、日常的な設定で、誰にでも起こり得る話が多いですね。

八巻:劇場の料金設定も、できるだけ足が運びやすい価格にできればと思っています。大学路と同じように気軽に来ていただける3000円のテハンノシート(両サイド見切れ席/当日券のみ)や、3900円のサンキューチケット(後方両サイド席)も用意しています。

オープニングを飾るのは、韓国でも20代、30代に人気を博したという『カフェ・イン』(4月25日~5月19日)。バリスタとソムリエのラブ・コメディー

左・アミューズ 第1マネージメント部 コンサートプロジェクト担当 エグゼクティブプロデューサー 八巻保宏
右・アミューズ・ミュージカルシアター担当 李銀喜


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