2019年には複数の巨大台風が上陸し、各地に深刻な被害を与えました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。ライブ・エンタテインメントに限っても、広いエリアに渡り多数の公演がやむを得ず中止・延期されました。温暖化の進行により、台風や大雨といった自然災害が増加傾向にあり、2019年は中止・延期された公演数が急増しています。今後も自然災害のさらなる増加が考えられ、ライブ産業にもさまざまな対策が求められます。今後もACPCでは災害対策を進めて参ります。
※以下は正会員24社からいただいたアンケートの回答を抜粋したものです。次号以降に「対応で優先していること、迷ったこと」「公演開催時に来場できなかった方への払戻に関して」の結果をご報告する予定です。また、ACPCでは2018年6月18日の大阪北部地震の際にも、関西エリアの会員社にアンケートをお願いしました。今回の特集と関連する部分も多いため、本誌38号に掲載された結果報告の記事もご参照いただけましたら幸いです。
http://www.acpc.or.jp/magazine/navi_issue.php?topic_id=307
※2018年は全国で延期47本、中止32本だったため、数として約2.6倍もの増加となりました。これらの中止・延期公演が予定どおりに開催された場合、約52億円のチケット売上があったと推計されます。さらに中止・延期への対応業務でも大きな影響が生じています。
来場者や会場の安全確保
大いに重視する:80% 重視する:16%
やや重視する:4% あまり関係ない:0%
公共交通機関の運休
大いに重視する:71% 重視する:25%
やや重視する:0% あまり関係ない:4%
関係各社(プロダクション等)の判断
大いに重視する:63% 重視する:29%
やや重視する:8% あまり関係ない:0%
注意報、警報などの防災気象情報
大いに重視する:50% 重視する:38%
やや重視する:12% あまり関係ない:0%
同エリアでの公演の開催状況
大いに重視する:17% 重視する:63%
やや重視する:8% あまり関係ない:13%
防災気象情報を判断基準にする場合、「大雨・洪水警報、高潮注意報(警報レベル3)」以上のケースが多く、「公演が屋外か屋内かにもよるが、警報が出た場合は各方面を調査し、判断の基準にする」「警報発令にて中止・延期を視野に入れた情報収集・ミーティングを本格的に開始」「特別警報が出た場合は中止にすべき」といった回答が寄せられました。「テレビに災害の帯情報が出たとき」もひとつの目安になっているようです。また、「会場のレギュレーション(野外の場合、風速○メートル以上は会場としてNGなど)」や、「仮設物の風に対する強度によるため、風速を重視する」という回答もありました。一方、「同エリアでの公演の開催状況を知りたい」という声も多く、判断基準として活用する余地がありそうです。