3月5日~8日、ロンドンのハイドパークに隣接するロイヤルガーデンホテルにて、「ILMC 31」が開催されました。ACPCとして、初めての海外カンファレンスへの登壇となったILMCでは、世界で起きている音楽産業を巡る事象、とりわけプロダクション、エージェント、プロモーターの各レイヤーが抱えている諸課題が浮かび上がってくるものでした。今回はACPCがカンファレンスで何を学んで来たのか、ダイジェストでお伝えします。
(2019年3月5日~8日 ロンドン ロイヤルガーデンホテルケンジントン)
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
チケット不正転売禁止法」が成立した日本の現状を世界のライブ関係者が出席した「ILMC31」でプレゼンテーション
International Live Music Conference ILMCとは..
Live NationやAEG、Ticketmaster等、およそ60か国より1200人以上の参加者を誇るカンファレンス。世界の音楽産業をリードする団体・企業が集まる場として、1989年にロンドンで発足しました。現在では、業界誌『IQマガジン』の出版・配信や、「International Production Meeting」、「International Festival Forum」等の派生会議を生み出すまでに成長。各業種のプロフェッショナルが集い、共通のゴール、ヴィジョン、課題を討論できるネットワークを構築する機会として、年1回のカンファレンスが開催されています。メンバーは音楽産業従事者に限定され、参加対象は招待者のみが基本です。
ACPCが、海外における事例を調査・研究する情報収集の手段として、海外の音楽関連団体とのリレーション構築に注力し始めていた中、2018年12月に「チケット不正転売規制法成立」の記事が「IQマガジン」で掲載されました。これを機にILMCとの距離が急速に縮まり、今回のカンファレンスと、その本会期に先立って開催される、世界の音楽産業を代表する団体や企業が選抜されたクローズドミーティング「ILMC Association Summit」(アジア諸国からは日本のACPCが初参加)にご招待をいただきました。
ILMC参加のねらい
●世界の音楽産業における諸課題を把握し、ACPCの調査・研究に反映させるための情報収集を行う
●各国の音楽関連団体とのネットワーキングを行い、ACPCのプレゼンス向上、及び今後の広報・PR活動の布石とする
●世界共通の諸課題を共有し、解決に向けて取り組むためのネットワークの構築
総括
ILMCにおいては、代表団の大半がヨーロッパ諸国であり、アジアからの参加国は非常に少ない状況です。しかしながら、各国の代表、さらには各地のプロダクション、エージェント、プロモーターの各レイヤーが抱えている悩みや諸課題は、日本も世界も共通であることが強く感じられました。それを再確認できたことや、諸課題に対する各国のアプローチを共有し、客観視できたことは、本会として非常に大きな財産となりました。